1987 Fiscal Year Annual Research Report
日本および中国青海省における高地肺水腫の成因に関する研究
Project/Area Number |
61480194
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 俊夫 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (80020775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 秋男 信州大学, 医学部心脈管病研究施設, 助教授 (70020758)
吉村 一彦 信州大学, 医学部, 助手 (70174985)
福島 雅夫 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (30173339)
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 助手 (80143965)
草間 昌三 信州大学, 医学部, 教授 (70020708)
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Keywords | 高地 / 肺水腫 / 低酸素 / 肺高血圧 |
Research Abstract |
1)高地肺水腫(HAPE)既往者における低酸素吸入時肺循環動態およびプロスタノイド変動の検討: 健常成人の名とHAPE既往者8名を対象とし,超音波パルスドプラー法により右室流出路における加速時間(AcT),駆出時間(RVET)を測定し,KITABATAKEの式により平均肺動脈圧を算出した. 静脈圧中のThromboxane A_2,PGI_2の安定代謝産物であるThromboxane B_2,6ーketoーPGF_1αを測定すると,HAPE既往者群では,低酸素吸入(10%O_2;O_2:N_2=1:9)10分後,AcT/RVETは有意に減少し,算出された平均肺動脈圧,肺血管抵抗は有意に上昇した. この際,TxB_2は有意に上昇したが,6ーketoーPGF_1αは変動しなかった. 以上の結果より,HAPE共往者では低酸素に対する肺血管反応性の亢進が認められ,それに対してTxA_2の関与が示唆された. 2)HAPE既往者における低酸素吸入時の脳血の変動. 健常成人11名とHAPE既往者8名を対象とし,Single photor emission CTにて検討した. ゼノンガス吸入により,室内気下で脳血流を測定した後,10%酸素を吸入させ,再度脳血流量を測定した. 脳血流量はOM line上方4〜6cmのスライス面での総血流量を測定,比較検討した. 脳血流は両群ともに急性低酸素負荷により,有意に増加したが,両群間に差異はみられなかった. 脳血流に影響を与えるPaCO_2は両群ともに同種度減少した. この結果からは, 高地肺水腫共往者の脳症状, 脳浮腫などの成因を,急性低酸素負荷による脳血流の変化に求めることは出来ないと考えた. 3)HAPE既往者における低酸素換気応答能 高地肺水腫共往者において,低酸素換気応答能の有意な低下が認められたが,炭酸ガス換気応答能では,有意な差はみられなかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kobayashi et al.: Chest. 92. 814-821 (1987)
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[Publications] H.Kobayashi: J Appl Physiol. 62. 2201-2207 (1987)
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[Publications] A.Sakai: Jpn J Appl Physiul. 17. 583-590 (1987)
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[Publications] D.B.Levine: J Appl Physiul. 64. 419-428 (1987)
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[Publications] T.Hirai: J Appl Physiul. 64. 243-248 (1987)
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[Publications] 小林俊夫: 日本胸疾誌. 25. 1284-1289 (1987)