1986 Fiscal Year Annual Research Report
サイトメガロウイルス感染細胞由来糖蛋白質によるサブユニットワクチンの開発
Project/Area Number |
61480216
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藪内 百治 阪大, 医学部, 教授 (20028335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 弘一 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10029811)
馬場 宏一 大阪大学, 医学部, 講師 (10127235)
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Keywords | サイトメガロウイルス / サブユニットワクチン / ウイルス糖蛋白 / 臓器移植術 / 免疫不全状態 |
Research Abstract |
1.サイトメガロサブユニットワクチンの試作 サイトメガロウイルス(AD169株)をヒト胎児繊維芽細胞に感染させ培養上清よりウイルスを精製した。これをdetergentを用いて溶解し、更にConcanavalin-Aカラムに吸着させた。続いてカラムより溶出させて糖蛋白を精製し、これを試作ワクチンとした。 2.試作ワクチンによる動物実験 試作ワクチンの免疫原性,安全性を確認するために、モルモットによる試験接種を実施中である。 3.サイトメガロウイルス皮内反応液の調製 サイトメガロウイルスに対する細胞性免疫能を評価する目的でウイルス糖蛋白を精製した。ワクチン接種を受けた動物およびヒトに使用する予定である。 4.腎移植患者におけるサイトメガロウイルス抗原の動態 阪大病院泌尿器科において腎移植術を受けた患者20名より、ウイルス抗原の検出を試み10例(50%)より感染性ウイルスが分離された。抗原の同定はDNA-DNAhyb【r!¨】idization法によって確認することが出来た。DNAのパターンは制限酵素を用いて分析することが可能であった。これらにより、試作ワクチンの効果をウイルス抗原の動態から評価する場合の基盤が確立できたと考える。 5.腎移植患者におけるサイトメガロウイルス抗体の動態 免疫沈降法・酵素抗体法,IAHA法などを用いて、サイトメガロウイルス活性化と誘導される抗体の測定が可能となった。これらにより、試作ワクチンの免疫原性を種々の面から評価しうるようになった。
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