1987 Fiscal Year Annual Research Report
小児のビタミンE栄養評価と小児期の過酸化障害に関する研究
Project/Area Number |
61480225
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
美濃 真 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70090206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 真 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70175298)
名木田 章 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00164476)
三木 正之 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40183628)
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30179874)
矢追 公一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70131357)
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Keywords | ビタミンE / 血漿 / 赤血球 / 未熟児 / 脂肪細胞 / インスリン受容体 / 吸収障害 / 膜酸化 |
Research Abstract |
研究目的:昭和61年度の研究で, 出生時体重1000g以下の来熟児でも出生時の赤血球ビタミンE値は成人値と変らないが, その後の保育において, それが欠乏値域に低下したので, これがビタミンEの吸収能の未熟性によるものか否かを検討した. 2.ビタミンE栄養と脂肪細胞の膜機能との関係を, ラット脂肪細胞のビタミンE変化とインスリン受容体機能で検討した. 研究結果:1.出生時体重1000g以下の未熟児3例と1000ー1500gの未熟児4例にビタミンEニコチン酸エステル20mg/Kg/日を生後1週から10週まで連日投与し, 血漿および赤血球中ビタミンE濃度を経過を追って測定した. その結果, 前者群ではビタミンE剤投与にもかかわらず生後7ー8週までは血漿および赤血球ビタミンE濃度は上昇せず, むしろ下降傾向を示し, その後急な上昇を見た. ところが, 1000g以上の未熟児の大部分は生後3週頃より血漿ならびに赤血中ビタミンEの急な上昇を見たので, 体重の小さい未熟児での赤血球ビタミンE値の欠乏域への低下はビタミンEの吸収機能の未熟による結果であることがわたった. 2.ラットをビタミンE欠乏食で飼育すると褐色細胞中ビタミンEは白色脂肪細胞のそれより消費が早かった. しかし, 白色脂肪細胞中ビタミンEも12週以上の飼育で欠乏となったので,副睾丸周囲の白色脂肪細胞について, コラゲナーゼ処理細胞浮遊液を作成し, インスリン添加によるIRブドー糖取り込みとCO_2生成能でインスリン受容体機能を検討した. その結果, どちらの測定値でも, ビタミンE欠乏および非欠乏脂肪胞間に差を認めることができなかった. この実験ではビタミンE欠乏は脂肪細胞の膜インスリン受容体機能に影響を与えないことを知った.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masayuki Miki: Arch Biochem Biophys. 258. 373-380 (1987)
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[Publications] Makoto Mino: AOCS(American Oil Ohemist'Society)Monograph;AO"Lipid Peroxidation in Biological Systems". 51-70 (1988)
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[Publications] Tohru Ogihara: Clin Chim Acta. (1988)
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[Publications] Hirohisa Tanaka: J Nutr Sci Vitaminol.
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[Publications] 美濃真: ビタミン. 61. 433-444 (1987)
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[Publications] O.Hayaishi;M.Mino: "Clinical and Nutritional Aspects of Vitamin E." Elsevier(Amsterdum), 408 (1987)