1988 Fiscal Year Annual Research Report
小児のビタミンE栄養評価と小児期の過酸化障害に関する研究
Project/Area Number |
61480225
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Research Institution | Osaka Medical College, Faculty of Medicine |
Principal Investigator |
美濃 真 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70090206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 英高 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90188326)
名木田 章 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00164476)
三木 正之 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40183628)
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30179874)
北川 真 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70175298)
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Keywords | ビタミンE / 坑酸化剤 / ラジカル反応 / 赤血球 / 生体膜 / 頬部粘膜細胞 / 新生児 / ウイルソン病 |
Research Abstract |
1、ビタミンE栄養評価としての生体細胞中ビタミンE濃度:1)赤血球ビタミンE値より、新生児はもとより、極小未熟児でも出生時はビタミンEの欠乏はなく、生後2ー10週にビタミンE欠乏に陥ることが明らかとなった。この極小未熟児にビタミンE剤を投与し、赤血球ビタミンE値の増加変動を観察した結果、出生後に陥る欠乏は、吸収機能の末発達のためであることが証明された。2)ビタミンEの組織への移行が、濃度匂配による受動移行以外に、LDL受容体を介するものがあることが知られているので、LDL受容体のある細胞で、直接血漿と接触しない、頬部粘膜細胞中のビタミンE濃度測定法の開発を行った。この測定法により、ビタミンE剤負荷時の濃度変化を測定し、臨床の有用性を証明することが出来た。 2、生体膜のビタミンE含量と易酸化性の検討:1)ラジカル発生量が算出できるアゾ化合物(AAPH)反応時の赤血球膜の酸化障害をビタミンE消費と溶存酸素吸収変動で検討した。その結果ビタミンEを消費する誘導期の後に酸素吸収が促進し、膜の酸化が進行した。誘導期の長さは膜のビタミンE量と比例したので、臍帯血と成人血血球膜に差がなかったが、溶存酸素吸収速度は臍帯血血球膜の方が成人血血球膜より速いことが明らかとなった。膜構成脂肪酸の酸化反応で引き抜かれやすい水素数から見ると、臍帯血血球膜の易酸化性は、膜構成脂肪酸の差によること証明した。2)ウイルソン病患者の細胞内の蓄積銅はラジカル反応の開始剤となる。AAPH酸化反応で、ウイルソン病の血漿と赤血球膜の易酸化性を検討した結果、赤血球膜では健康小児との間に差が見られなかったが、血漿中坑酸化剤(ビタミンE,SH基,尿酸,ビタミンC)の消費がウイルソン病で亢進しており、キレート剤治療による病態の改善に比例して、易酸化性も改善することが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ogihara,T;Miki,M;Kitagawa,M;Mino,M.: Clinica Chimica Acta. 174. 299-306 (1988)
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[Publications] Tamai,H;Managao,M;Yokot,K;Kitagawa,M;Mino,M.: Internationai Journal of Vitamin and Nutrition Research. 58. 202-207 (1988)
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[Publications] Tanaka,H;Mino,M;Takeuchi,T.: Journal of Nutritional Science and Vitaminology. 34. 293-307 (1988)
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[Publications] Miki,E;Yamamoto,Y;Takehasi,M;Yamamoto,K;Yamamoto,Y;Komuro,E;Miki,M;Yasuda,H;Mino,M.: Journal of Nuteitional Science and Vitaminology. 34. 507-512 (1988)
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[Publications] Tatsumi,K;Yaoi,K;Mino,M.: International Journal of Vitamin and Nutrition Research. 58. 387-393 (1988)
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[Publications] Tamai,H;Wakamiya,E;Mino,M;Iwakoshi,M.: Journal of Nutritional Sciences and Vitaminology. 34. 627-631 (1988)
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[Publications] Mino,M;Miki,M;Tamai,H;Yasuda,H;Maeda,H.: "Membrane damage in erythrocyes induced by radical initiating reactions and the effect of tocopherol as a radical scavenger In "Lipid peroxidation in Biological Systems" ed.A.Sevan" American Oil Chemists Society Champain, 51-70 (1988)
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[Publications] Mino,M;Miki,M;Miyake,M.: "Vitamin E status in neonatal erythrocytes under oxidative stress.In "Medical,Biochemical,and Chemical Aspects of Free Radicals"" Elsevier, (1989)