1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480233
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
北川 俊夫 筑大, 臨床医学系, 教授 (80076942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有本 卓郎 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50168027)
石川 悟 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70168194)
吉井 興志彦 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50110507)
高瀬 靖広 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50075339)
金子 実 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (00111378)
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Keywords | 陽子線治療 / 照射技術 |
Research Abstract |
病巣をその立体的形状に一致して選択的に照射し得る陽子線照射の特性に応じ、その照射精度の向上とこの治療法の適応範囲拡大を目的とした本研究において、本年度では高精度の輪郭把握が困難な深部臓器病巣の局所進展範囲を、陽子線照射の照射計画、照準確認に際してX線像として把握するため、照射対象となる病巣の境界部組織内にX線造影物体を標識として埋没する手段を考え、主要臓器、部位に対する標識刺入術並びに、その器具を試作し、合わせて上記目的に適した標識の選定を行った。以下考案された術式夫々の研究結果を報告する。1.標識の選定 本術式に使用する標試は、組織内に埋没されることから、イ)刺入操作に際して組織損傷を少なく止めるため、可及的小さいこと、ロ)深部臓器内にあって、X線撮影又は透視により明瞭にその影像が識別し得る物質であること、ハ)照射計画に使用されるCT画面にアーチファクトを発現しないこと、ニ)生体組織内に永久埋没された後、該部組織に与える化学的、機械的刺激が少ないこと等の条件を満足し得るものとして、従来小線源治療に用いられて来たAUシードが選定された。2.標識刺入術式と刺入器、本研究で開発された術式はつぎの如くである。イ)内視鏡による刺入術,内視鏡によって胃,膀胱等の管腔臓器壁病巣に到逹し、直視下に標識を刺入する方法で、消化管内視鏡,膀胱鏡に挿入し得る刺入器が試作され、その使用可能性が確認された。ロ)触診による刺入術、前立腺等体腔を通じて触診により病巣境界を把握し、標識を刺入する方法で、刺入器は従来の小線源刺入器を使用し、満足し得る結果を得た。ハ)術時遺残病巣刺入術主として脳腫瘍の術時遺残病巣に対し使用する方法で、脳組織中の適切な深度に刺入する器具を試作し、その性能を確認した。上記諸術式は、今後該当する諸臓器がん症例に対して使用し、この術式の適用意義を検討する予定である。
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