1987 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌細胞の増殖と機能の制御における各種成長因子の役割についての研究
Project/Area Number |
61480254
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
對馬 敏夫 東京女子医科大学, 内科2, 教授 (90101089)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治 元康 東京女子医科大学, 内科2, 助手 (80162395)
大庭 義人 東京女子医科大学, 内科2, 助手 (90160613)
大村 栄治 東京女子医科大学, 内科2, 助手 (90119917)
|
Keywords | 成長因子 / 細胞増殖 / 甲状腺細胞 / TGFβ / TGFα / TSH / EGF |
Research Abstract |
我々は培養ブタ甲状腺細胞にインスリン〓成長因子,IGFーIの受容体が存在すること,IGFーIは甲状腺細胞のDNA合成,細胞増殖を促進すること,その作用はEGFによって増強されること,IGFーIはTSHによる分化機能発現には影響を与えないことを見出した. 今年度はトランスフォーミンググロースファクター,TGFの甲状腺細胞増殖と機能に対する効果を検討した. 予備検討の結果で,甲状腺組織中にTGF〓活性のあることを確認したからである. TGFにはαとβの2種類がある. 我々はTGFαがEGFと同〓に培養甲状腺細胞の増殖を促進するとともに,TSHによって誘導されるヨード代謝,すなわちヨード取りこみと有機化を抑制することを発見した. この作用の一部はTSHによるcAMP産生を抑制するためと考えられた. しかしTGFαはフォルスコリンや8ーブロモcAMPによるヨード代謝をも抑制した. したがってTGFαはcAMP以降の機構にも作用すると考えられた. 一方TGFβはIGFーIやEGFによるDNA合成を強く抑制した. 更にTSHによるヨード代謝をも強く抑制した. TGFαと異なりTGFβはTSHによるcAMP産生に影響を与えなかった. TGFβはフォルスコリンや8ーブロモcAMPによるヨード取りこみや有機化をPMの濃度で抑制することが判明した. したがってTGFβは主としたcAMP産生以後の機構を抑制することによりヨード代謝を阻害すると考えられた. TGFβの生理的意義は現在不明である. しかし最近リンパ球が活性化されるとTGFβが分泌されることが明らかにされた. したがって自己免疫性甲状腺疾患など甲状腺内のリンパ球が刺激される場合にはTGFβがTSHによる甲状腺機能の調節を修飾する可能性が考えられた. 以上我々はTSH以外の多数の因子が甲状腺細胞の増殖や機能の調節に関与する可能性を示した.
|
-
[Publications] Emoto.N;Tsushima.T;Shizume.K;et al: Acta Endocrinologica. 114. 283-291 (1987)
-
[Publications] Sato.K;Han.D.C;Fujii.Y;Thushima.T;and.Shizume.K: Endocrinology. 120. 1873-1881 (1987)
-
[Publications] Ohmura.E;Tshushima.T;Emoto.N;et al: Life Science. 41. 691-696 (1987)
-
[Publications] Saji.M;Tshushima.T.et al: Endocrinology. 121. 749-756 (1987)
-
[Publications] Ohmura.E;Emoto.N;Tshushima.T.et al: Hepato-Gastroenterology. 34. 1044-1048 (1987)
-
[Publications] Tsushima.T;et al: Endocrinology. (1988)