1988 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌の病態生理と治療に関する研究-とくに肝癌に対する肝再生因子の作用について-
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61480275
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
秦 温信 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (10113606)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 征文 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (60186864)
佐々木 文章 北海道大学, 医学部, 助手 (40178661)
宇根 良衛 北海道大学, 医学部, 助手 (60176716)
内野 純一 北海道大学, 医学部, 教授 (40000989)
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| Keywords | 肝癌 / 肝再生因子 / ヒト上皮成長因子 |
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| Research Abstract |
本研究は肝癌の増殖、分化に対する肝再生因子の作用を明らかにし、新治療法確立の可能性を検討せんとするものである。3年間にわたる研究計画のうち、3年目にあたる昭和63年度は肝部分切除後の肝癌増殖促進の機序およびヒト上皮成長因子(hEGF)の抗癌剤作用増強効果の秩序を検討した。
1.肝切除後の肝癌増殖促進の機序:宿主の術後免疫能の変動、血中estradiol(E_2)と肝癌細胞質内estrogen receptor(ER)とのComplexの形成、肝再生因子の関与などの点から解析した。肝切除後の宿主の免疫能(NK活性およびblestogenesis)の変動と肝癌増殖動態との間には相関性を全くみとめなかった。血中E_2は肝切除増加し、肝ERは著減したが、全経過を通じて癌細胞のERは検出されなかった。肝切除後の血清より高速液体クロマトグラフィ(HPLC)でえられた特定の分画(Fr.30、分子量約10万)のみが、初代培養肝細胞および肝癌細胞の増殖をともに促進した。
2.ヒト上皮成長因子(hEGF)の抗癌剤作用増強効果の機序:ヒト肝癌細胞C-He-4を用いて増殖を促進するhEGF濃度を10^<-2>Mとなるように添加し終時的にFlow CytometoyにてDNA histogramをみると、24時間後におけるG_2M期細胞は添加群では20.3%と対照群の0.6%に比して増加していた。しかし48時間後ではその差は著明ではなくなった。
以上より肝切除が肝癌増殖を促進する機序は肝再生によって誘導される肝再生因子が残肝のみならず肝癌細胞にも作用することによって惹起されるものと考えられた。また、hEGFは静止期の肝癌細胞を増殖期のそれへと変化させる作用があり、これが抗癌剤作用を増強させる一つの因子と考えられた。
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[Publications] 秦温信/五十嵐究/波江野力/高田尚幸/佐々木文章/宇根良衛/内野純一/梶原昌治: 癌と化学療法. 印刷中.
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[Publications] 波江野力/内野純一/武市紀年/秦温信/河田聡/季宇/小松本正志/小林博: 医学のあゆみ. 投稿中.
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[Publications] 波江野力: 肝臓. 投稿中.
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[Publications] 波江野力/内野純一/秦温信/宇根良衛/武市紀年/小林博: 肝臓. 印刷中.
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[Publications] Tsutomu Nanieno/Noritoshi Takeichi/Yoshinobu Hata/Yoshie Une/Hiroshi Kobayashi/Junichi Uchino: International J.Cancer. Submitted.
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[Publications] Tsutomu Namieno/Noritoshi Takeichi/Yoshinobu Hata/Yoshie Une/Hiroshi Kobayashi/Junichi Uchino: J.Biol.Chem. Submitted.
