1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480284
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石上 浩一 山口大, 医学部, 教授 (70025526)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜中 裕一郎 山口大学, 医学部, 助手 (40189618)
岡 正朗 山口大学, 医学部, 講師 (70144946)
水田 英司 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (00116758)
村上 卓夫 山口大学, 医学部, 助教授 (10091216)
|
Keywords | 噴門括約機構 / 下部食道括約筋 / LES / 食道アカラシア / VIP / セクレチン / Substance P / PAP法 |
Research Abstract |
正常雑種成犬およびDeloyerの方法により作成した食道アカラシア犬についてOpen-tip法により食道内圧検査を行った。VIPおよびセクレチンを末梢静脈より1-16μg/kg/時の速度で注入し、引抜き法によるLES静止内圧、テトラガストリン5μg/kg注入時の圧上昇に対する抑制作用を測定し、Dose-ResponseCurveを作成した。食道アカラシア患者および対照成人男子についてセクレチン3Iu/Kg注入時のLESPを測定した。免疫組織学的方法(PAP法)により下部食道のVIP受容体を検索した。(成績)LESPの50%抑制点におけるVIPおよびセクレチン投与濃度は静止内圧でセクレチン投与群で85μg/Kg,VIP群で17μg/Kg,ガストリン刺激圧でセクレチン群で85μg/Kg/時,VIP群で12μg/Kg/時であった。食道アカラシア犬では静止圧でセクレチン群で57μg/Kg、VIP群で9μg/Kg、ガストリン刺激圧ではセクレチン群で29μg/Kg/時、VIP群で7μg/Kg/時であった。以上よりVIPはセクレチンに対して静止内圧で5倍、ガストリン刺激圧で7倍のLESに対する抑制効果を示した。また食道アカラシア群では正常犬群に対して約2倍の過敏なLES弛緩作用を示した。臨床例では両群ともにセクレチン3IU/Kgの投与により有意なLESP低下を示したが、その効果は食道アカラシア患者群で有意に強かった。また免疫組織学的に食道アカラシア犬および食道アカラシア臨床例のLESのAuerbach神経叢および筋層においては正常犬およびヒトに比してVIP神経が著明に減少していた。VIPはLESに対して抑制神経の神経伝達物質としての作用をもち、その減少が食道アカラシアにおけるLES弛緩不全に関与していると考えられる。現在SubstancePとVIPの相互作用、両者の分布を検討している。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 石上浩一: 日本外科宝函. 55. 81-95 (1986)
-
[Publications] 石上浩一: 日本外科学会雑誌. 86. 342-342 (1986)
-
[Publications] 石上浩一: 最新医学. 42. 489-494 (1987)