1986 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴法を用いた保存心の再潅流障害予防に関する研究
Project/Area Number |
61480300
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
城谷 均 近大, 医学部, 教授 (60113156)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 治 近畿大学, 医学部, 病院購師 (90177402)
|
Keywords | 核磁気共鳴法 / ケミカルシフト / 再灌流障害 / 保存心 |
Research Abstract |
本年度の研究は、動物実験を行うに先立ち、使用する薬剤の特性及びシフト剤に使用した金属とポリアミノ酸との組み合わせについての検討を行った。この結果本年度中に検討したシフト剤及びブロードニング剤は11種類であり、それらの結果について報告する。1)シフト剤及びブロードニング剤の検討では、金属イオン濃度として0.1M濃度で比較検討を行った。この結果、シフト剤では、コバルトの効果が最も良く、5.4ppmであり、ブロードニングは76Hzであった。また、同様に鉄について見てみると、三価のものではブロードニングの効果が二価のものより大きく、シフトのピークは認められなかった。また、二価のものでは、シフト効果は4.3ppmであり、またブロードニング効果は62Hzであったが、その安定性に問題が残った。また、生体内微量金属である銅についてみると、シフトは0.8ppmと僅かであり、これに比しブロードニング効果は80Hzと大きかった。その他の金属として、クロム及びニッケルについて実験したシフト及びブロードニング効果は、それぞれ2.6ppm,290Hz,と2.1ppm,89Hzであった。またカドミウム等についても検討を行ったが、シフト効果も小さく、また毒性の問題もあり、動物実験の使用に適さないと考えられた。2)使用可能金属の濃度について検討を行った。鉄及びコバルトでは20mM程度の濃度でもそのシフト効果が得られた。3)半透膜を使用して、ポリアミノ酸の透過性について検討を行った。シフト剤として使用したコバルトとポリアミノ酸を結合させた結果、シフト剤の透過を阻止しうると判断できた。また、ガドリニウム製剤の使用も可能となった。本年度購入のナトリウム用のNMRプローブは、その納入予定が若干遅れ、本年2月になり、現在調整後使用可能と成った。このため、ナトリウムについての実験結果は来年度の報告書に記載する予定である。
|