1987 Fiscal Year Annual Research Report
腰部椎間板ヘルニアに対する新しい酵素治療法開発の基礎的研究
Project/Area Number |
61480316
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
勝呂 徹 千葉大学, 医学部, 助手 (00143272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 宏 千葉大学, 医学部, 講師 (30114268)
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Keywords | キモパパイン / プロチオグリカン |
Research Abstract |
椎間板ヘルニアに対する酵素化学的治療法の基礎的研究として種々の酵素を用いて病現組織学的,生化学的研究を行って来た. その結果, 使用可能酵素は, キモパパイン,コアゲナーゼ,コンドロイテナーゼABCの3種の酵素にしぼられ,いづれも椎間板顕核組織の完全な消化を完成させ,それに引きつづき再生応と,線維組織の増加,細胞の交代現象を示し,老化過程で示すことが形態学的観察により明らかとなった. 特に再生に関する細胞は,線維輪内層に存在する細胞が椎間板顕核内へ放送し, ここにて分裂,増残する. この時点にて細胞交代が生じる. 生化学的分析としては,プロテオグライカンを4Mグアニジン塩酸で抽出後,ウロン酸量をカルバゾール硫酸〓〓法にて測定した. キモパパイン群:顕核では4,6,12個例ともウロン酸抽出量は対象の50%以下に低下していた. 線維輪でも低下が認められ,12例では50%近まで低下していた. 従ってプロテオグリカンの消化が線維輪でも残んに行われていることがわかった. collagenase群:酵素効果に著しいバラツキが認められた. 2例では顕核の溶解は認めず,水含量の減少のためかウロン酸は増加している. 4週例では,完全に消化され,8,12個例でもウロン酸量の低下が観察された. コンドロイテナーゼ群:ウロン酸量は対象の50%以下の低下しており酵素効果は十分認められた. また酵素活性のバラツキも少, 安定していた. 電顕的観察にては,組織間のプロテオグリカンは,大きく,ヒアウロン酸線維の観察が認められた. 分子は,大小さまざまのものがあり,今后計測を行す必要がある.
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