1988 Fiscal Year Annual Research Report
ホログラフィー干渉法による骨・軟骨および生体材料の変形測定。
Project/Area Number |
61480324
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
兒島 新 関西医科大学, 医学部, 助手 (40148523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 俊郎 大阪府立工業高等専門学校, 工学部, 助教授 (50110242)
小川 亮恵 関西医科大学, 医学部, 教授 (90077610)
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Keywords | ホログラフィ干渉法 / 変形計測 / 骨 / 軟骨 / 人工生体材料 |
Research Abstract |
昭和62年度より行っている創外固定装置の強度計測の実験を引き続き行い、学会、研究会等で報告した。一方、本年には本施設研究室内に高出力のレーザーとサーモプラスチックフィルムの導入により可能となった、実時間法ホログラフィ干渉法を主に用いた対象物の経時的変形の観察を試みた。 (I)先ず、硬組織で骨頭の一部に外力を加えた局所に発生する陥凹変形とそれが全体の変形に移行して行く状態を観察を行い、良好な再生像を得ることができた。 (II)引続き、乾燥状態で粘弾性の性質を持つ試料を対照として、その経時的変化をみる予備実験を行ったがこれも経時的な経過を一定時間内であれば観察できることを認識した。この実験を水槽内で施行する場合、対象物の周囲に水流を発生した場合や水の温度が対象物と異なる場合には再生像が得られないことも多い。但し、温度条件が一度落ち着けば比熱が大きい媒体のため、再生像は乾燥空気中と同様に得ることが可能であった。 (III)次に軟骨を用いて同様の実験を行いその粘弾性を観察した。 結果的には以下に述べる大きな問題点が課題として残った。 その1つは、軟骨の表面の性質である。軟骨は表面が半透明であるため、軟骨最表面と更に深部まで到達した反射光とが同時に乾板に到達するため干渉嶋が得られなかった。これに対応するため、軟骨の表に塗料のコーティングを行ってみた。しかしながら、塗料の乾燥時間の問題、塗料と軟骨の親和性の問題、コーティングにともなう軟骨組織の破壊と生物学的特性の変化が今後の課題として残された。現在もなお、実験方法を含め、生体により近い状態で軟骨の特性を得るため、引続き実験を続行中である。
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[Publications] 児島新: 中部整災誌. 31. 2081-2082 (1988)
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[Publications] 児島新: 中部整災誌. 31. 2081-2082 (1988)
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[Publications] 井土昇: 中部整災誌.
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[Publications] 井土昇: 整形外科バイオメカニクス. 9. 133-138 (1988)