1986 Fiscal Year Annual Research Report
複合臓器不全における中枢神経障害の病態に関する研究
Project/Area Number |
61480333
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
前川 剛志 山口大, 医学部, 助教授 (60034972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 之正 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (20147573)
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
筒井 俊徳 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (00155417)
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Keywords | 複合臓器不全患者 / 意識レベル / 脳波 / 脳幹誘発電気 / 脳循環 / 脳代謝 / アミノ酸 |
Research Abstract |
複合臓器不全(3〜6臓器)患者5名での知見は、意識レベルの低下に伴ない脳波の徐波化を認めた。脳波マッピングでも徐波化を示したが、大脳皮質での部位別変化は著明でなかった。聴性脳幹反応による脳幹部の検索では、聴覚伝導路の全般的な各波潜時の延長を認めた。脳血流量,脳酸素消費量は当教室の正常値がそれぞれ53ml/100g/分,3.1ml/100g/分であるのに対し、26ml/100g/分,1.5ml/100g/分と著明に減少していた。 血漿アミノ酸は敗血症患者17例、劇症肝炎11例で測定し、グラスゴーコーマスケールおよびホガディーの脳波分類との相関を調べた。両群ともアミノ酸総量が増加し、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と芳香族アミノ酸(AAA)との比は減少した。グラスゴーコーマスケールと敗血症との関係はBCAA/AAA比,AAAなどで有意な相関を示した。劇症肝炎との関係は、総アミノ酸量、BCAA/AAA比,AAAなどで敗血症群よりも多くの項目で有意な相関を示した。意識レベルは敗血症では致死的状態になるまで完全な消失はみられなかったが、劇床肝炎では急激に低下消失する症例が多かった。 症状の改善した症例では脳波の速波化、聴性脳幹反応の各波潜時の回復、脳血流量,脳酸素消費量の回復傾向がみられ、意識レベルも向上して軽快転院後、社会復帰した。 症例数を重さね、複合臓器不全における中枢神経障害の病態を明らかにする。
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