1986 Fiscal Year Annual Research Report
正常並びに病的子宮内膜における性ステロイドホルモン受容体の分析
Project/Area Number |
61480348
|
Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
加藤 順三 山梨医大, 医学部, 教授 (80082121)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 孝二 山梨医科大学, 医学部産婦人科, 助手 (60166949)
小池 憲章 山梨医科大学, 医学部産婦人科, 助手 (00161836)
井川 名記 東京大学, 医学部, 助手 (80168096)
三橋 直樹 東京大学, 医学部, 講師 (60114667)
|
Keywords | ステロイドホルモン / エストロゲン受容体 / 単クローン抗受容体抗体 / 受容体酵素免疫化学的測定法 / 免疫組織化学的ステロイド受容体検出法 / 人子宮内膜 / 子宮筋層 / 受容体局在 |
Research Abstract |
【I】.エストロゲン受容体の単クローン抗体を用いた酵素免疫化学的測定法に関する検討:ー A 人子宮内膜サイトゾルでの検討では、希釈試験,回収試験,再現性試験とともに、良好な成績がえられた。さらに、従来のバイデインク測定法による同一サンプルでの測定値との相関係数は高かった。 B 人子宮内膜より精製核を調製后、0.4M塩化カリウム液で、核エストロゲン受容体を抽出した。この核抽出液の受容体を、LH-20法及び単クローン抗体を用いた酵素免疫化学的法で測定し比較したところ、両者の値は近似し、且つ高い相関性がえられた。 C 結論以上より、本法は人正常子宮内膜の細胞質並びに核エストロゲン受容体測定に有用であることが分った。 D 尚,内膜癌組織でも少数例であるが測定できた。引続き検討中である。【II】.人子宮内膜のエストロゲン受容体の免疫的組織的検出と細胞内局在の検討:ー A.抗ERモノクローン抗体を用いて各種症例の人子宮内膜の受容体の検出を試み、本法に関して基礎的検討を行なった。各症例の子宮内膜腺上皮,一部の症例では間質細胞においても陽性染色をみとめたが、平滑筋線維はほとんど陰性であった。腺上皮および間質細胞は核のみ陽性を示じた。 以上より、本抗体は腺上皮および間質細胞の核受容体に強い反応性を示すことが明らかにされ、エストロゲン受容体の核局在を示唆した。 【III】.子宮内膜エストロゲン及びプロゲステロン受容体の組織化学的証明法の検討:ー蛍光標識ステロイドホルモン(フルオロ・セツプ-ゼウス社)は標的細胞と結合性をもつが、阻止試験の成績から、その特異性は尚検討の余地があることが分った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kato,J.;Takano,A.;Mitsuhashi,N.;Yasumizu,T.;Kawaoi,A.: 【XII】 World Congress on Fertility ψ Sterility,Singapore,26-31 October,1986(Abstract). (1986)
-
[Publications] 加藤順三,高野明子,小池憲章,吉田孝二,三橋直樹,安水洸彦,井川名記: 日本内分泌会誌. 62. 432-545 (1986)
-
[Publications] 井川名記,長谷川和美,三橋直樹,加藤順三,川生明: 日本内分泌学会雑誌. 62. 432-546 (1986)
-
[Publications] 長谷川和美,加藤順三,三橋直樹,高野明子: 日産婦学会誌 増刊号. 38. S100 (1986)
-
[Publications] 平田修司,高野明子,吉田孝二,小池憲章,加藤順三: 日内分泌雑誌. 62. 1074-597 (1986)
-
[Publications] 加藤順三: 産科と婦人科. 54(4). (1987)