1986 Fiscal Year Annual Research Report
超高速観測システムによる発話時声門動態の解析とその臨床的応用に関する研究
Project/Area Number |
61480355
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広瀬 肇 東大, 医学部, 教授 (80010031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 敏 東京大学, 医学部, 助教授 (80122018)
桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032)
牛嶋 達次郎 東京大学, 医学部, 講師 (70010197)
新美 成二 東京大学, 医学部, 助教授 (00010273)
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Keywords | 声帯振動 / 超高速画像記録 / 撮像素子 / CCD / 過渡的発声 / 子音調音 / 音声障害 |
Research Abstract |
1)正常者の定常発声時の声帯振動の超高速画像記録 予備段階として、従来試作していたシステムを用いて声帯振動の超高速画像化の可能性について検討した。この段階ではまだ画像記憶装置が納入されていなかったので、既存の画像処理装置の小型のメモリを応用して検討をすすめた。その結果、側視型喉頭テレスコープを1眼レフカメラに装着して、フィルム圧定板相当部に100×100の画素を有するMOS型の撮像素子(センサ)を設置した試作品を用いた場合、10MHzの画素走査クロックで、毎秒約800コマの撮像が可能となることが明らかになった。さらに水平方向の画素走査線の本数を減少させるような特殊処理によって毎秒4000コマ程度まで撮像速度を上げうる見通しがたった。 2)超高速動態と音声信号および電気グロトグラフィのオンライン処理システムの開発 画像処理装置において超高速画像情報と同時に記録した音声信号および電気グロトグラフィのオンライン処理を行うシステムを開発した。これを用いて予備的に正常者と音声障害症例について記録・解析を行った。その結果、声門閉鎖不全現象に対応して高調波成分の減弱があることが同一画面上に容易に表示されることが確認され、臨床的応用への可能性が強く示唆された。また電気グロトグラフィの生理的意義について考察するための基礎的資料がえられた。 3)ファイバースコープによる過渡的発声現象の記録 CCD型のセンサを改良して画素数を210×14程度にしたシステムを試作し既存のファイバースコープによって子音調音時の声門動態の観察を試みた。その結果、子音の入り渡りと出渡り部の振幅に変動があることが観察され、今後の検討の必要性が示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 桐谷滋: 音声言語医学. 27. 66-67 (1986)
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[Publications] 桐谷滋: 医用電子と生体工学(特別号). 24. (1986)
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[Publications] 桐谷滋: 電子通信学会誌(総合全国大会号). 昭61. 7-168 (1986)
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[Publications] 今川博: 音響学会音声研究会資料. S85. 797-804 (1986)
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[Publications] Kiritani,Shigeru: Ann.Bull.RILP. 20. 11-16 (1986)
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[Publications] Imagawa,Hiroshi: Ann.Bull.RILP. 20. 17-22 (1986)
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[Publications] Honda,Kiyoshi: "Laryngeal Function in Phonation and Respiration (Chapter 35:High-speed digital recordings of vocal fold vibrations" using a solid-state image sensor)College Hill Press, 574(7) (1987)
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[Publications] Kiritani,Shigeru: "Logopedics and Phoniatrics(Observation of pathological vocal fold vibrations using a high-speed digital image recorng system)" Organizing Committee of the xxth IALP Congress, 607(2) (1987)