1986 Fiscal Year Annual Research Report
発育期における網膜・硝子体の反応機構解明に関する研究
Project/Area Number |
61480369
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植村 恭夫 慶応大, 医学部, 教授 (30051006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 範行 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (10159395)
神園 純一 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (30138078)
桂 弘 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40129391)
田中 靖彦 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (30051551)
秋谷 忍 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (10051286)
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Keywords | 硝子体 / 可溶性蛋白 / 酸素誘導網膜症 / S100蛋白 |
Research Abstract |
1.セファデックスG75を用いたゲルクロマトグラフィーの2つの分画を、SDS・ポリアクリルアミドゲル電気泳動で調べたところ、各々の分画は多くの物質を含むことが判明し、ウシ硝子体より可溶性蛋白を抽出する方法としては不適であることが判明した。2.分析用のスーパーローズ12(ファルマシア製)にてゲルクロマトグラフィーを行ったところ、ウシ硝子体可溶性蛋白は13〜14の分画に分かれた。3.調製用のスーパーローズ12-Prep(ファルマシア製)にて13-14の分画に分けられることが判明し、今後はこのゲルクロマトグラフィーを行うこととした。4.13の分画の各蛋白の分子量は20万から1000以下の低分子量を示した。5.各分子画のSDS・ポリアクリルアミドゲル電気泳動および免疫電気泳動で、確実に硝子体内に含まれている物質であることが判明した。 6.マイクロチューブにてポリアクリルアミド電気泳動を行い、さらに二次元動気泳動を行うとウシ硝子体可溶性蛋白は数コのスポットに分離された。血清のパターンと比較すると、特有のスポットが少くとも2コ認められた。7.毛様体・周辺部網膜・硝子体基底部の比較解剖により、ラット,マウス、ウサギは、ヒトと著しく異なる構造を示すことが判明した。イヌ、ネコはかなりヒトと類似していた。サルは極めてヒトと類似するが、出生時、網膜血管の発達は良好で、酸素誘導網膜症の実験には不適と考えられた。 8.ビーグル犬を用いた実験で、人工哺乳による飼育で酸素を投与することが可能となった。生後7日目より72時間90%以上の酸素を投与しても、網膜症は発症しなかった。 9.ヒト臍帯血管内皮細胞の初期培養にて、管腔の形成が認められた。 10.ヒト胎児眼球において毛様体上皮の一部はS100蛋白抗血清により染色された。一方、グリア細胞は染色されない。
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[Publications] 東範行: 日本眼科学会雑誌. 90. 1127-1134 (1986)
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[Publications] 秋谷忍: 慶応医学. 63. 407-413 (1986)
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[Publications] Shinobu AKIYA: Ophthalmic Research. 18. 199-202 (1986)