1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480398
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Research Institution | Tokushima University |
Principal Investigator |
吉山 昌宏 徳島大学, 歯学部, 助手 (10201071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 玲子 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (20200850)
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 講師 (40144985)
石田 甫 徳島大学, 歯学部, 教授 (70028364)
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Keywords | 象牙質 / 象牙質知覚過敏症 / 非コラーゲン性蛋白質 / カルシウム結合能 / オステオネクチン / ホスホホリン / 管状膜様構造物 |
Research Abstract |
歯牙象牙質には種々の象牙質構築因子が存在しており、私共は61および62年度においてその1つであるオステネクチンを象牙質粉末ならびに管状膜様構造物より分離精製することに成功した。象牙質構築因子としてはオステオネクチンのほかにホスホホリンが存在していることが知られているが、ヒト歯牙象牙質からのホスホホリンの分離精製に関する詳細な報告はみられないのが現状である。そこで本年度において私共はヒト歯牙象牙質よりホスホホリンを分離精製しその諸性質をオステオネクチンと比較しながら詳細に検索するとともに、オステオネクチンおよびホスホホリンのカルシウム結合能を検討し、以下のような知見を得た。 1.ヒト歯牙象牙質からのホスホホリンの分離精製とその諸性質の検索・ヒト新鮮抜去大臼歯より象牙質粉末を調製し、0.6N塩酸を用いて4℃にて4日間脱灰処理を加えた。得られた上清より酸可溶性蛋白質を回収し、DEAEーセファセルカラムクロマトグラフィーおをびゲル濾過クロマトグラフィーを行いホスホホリンを含む画分を得た。この画分をさらにスーパーローズ^<TM>6を用いた高速液体クロマトグラフィーにより分離精製した。その結果、アスパラギン酸およびセリンを極めて多量に含有し、高いリン含有量を示す分子量26Kダルトンの歯牙象牙質ホスホホリンを分離精製することができた。 2.歯牙象牙質オステオネクチンおよびホスホホリンのカルシウム結合能の検索 平衡透析法を用いて両蛋白質のカルシウム結合能を検索した結果、両蛋白質ともそのリン含有量に対応した高いカルシウム結合能を有することが明らかとなった。 現在、両蛋白質のカルシウム結合機序を酵素的修飾機構との関連で追究するともに、知覚過敏象牙質における両蛋白質の局在も検索している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 正田二郎,吉山昌宏,内田昭次,石川康子,石田甫: 準備中.
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[Publications] M.Yoshiyama;J.Masada;A.Uchida;H.Ishida: Journal of Dental Research.
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[Publications] 内田昭次: "デンタルダイヤモンド増刊号:歯科における痛み 第1章歯と歯周組織の痛み【○!2】知覚過敏のとき" デンタルダイヤモンド社, 26-29 (1988)
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[Publications] 正田二郎,吉山昌宏,内田昭次: "デンタルアスペクト 第3巻2号:特集 知覚過敏症への対応 1.知覚過敏症の診断とその処置法" デンタルアスペクト社, (1989)