1986 Fiscal Year Annual Research Report
下顎骨浸潤を伴う口腔癌の臨床的,病理組織学的研究:切除範囲について
Project/Area Number |
61480413
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
臼井 康裕 北海道大学, 歯学部, 助手 (70125285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 正 北海道大学, 歯学部, 助手 (80168062)
進藤 正信 北海道大学, 歯学部, 助手 (20162802)
雨宮 璋 北海道大学, 歯学部, 教授 (80018415)
鄭 漢忠 北海道大学, 歯学部, 助手 (80180066)
戸塚 靖則 北海道大学, 歯学部附属病院, 助教授 (00109456)
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Keywords | 口腔癌 / 顎骨浸潤 / 顎骨切除 |
Research Abstract |
下顎骨浸潤を伴う口腔癌の臨床的,病理組織学的研究として今回は切除範囲について検討した。今年度の研究目的は次の二項目であった。 1)口腔癌の下顎骨浸潤機序の解明 昭和46年より昭和60年の期間に北海道大学歯学部付属病院口腔外科で切除した手術材料を検索した。今回は下顎骨浸潤を疑い顎骨と共に切除した扁平上皮癌症例を対象とし、下顎歯肉扁平上皮癌46例、口底扁平上皮癌19例、頬粘膜扁平上皮癌8例を病理組織学的に検索した。固定した標本は脱灰後通法に従い標本を作製し、H・E染色を行い光学顕微鏡で検討した。扁平上皮癌の顎骨内浸潤様式としては骨組織を破壊しながら進行するか、もしくは骨組織中の血管腔等の空隙を進行していた。分化度が低く、深部への増殖・浸潤傾向が強い腫瘍ほど顎骨内へ浸潤性に増殖する傾向があった。骨吸収部には破骨細胞がみられ、腫瘍と骨吸収面の直接的な接触は明らかでなかった。 2)適切な切除範囲を決定するための臨床的・X線学的指標の検討 同切除症例の臨床的性状及びX線像を検討した。X線像において骨吸収像の形態を大きくinvasive型とerosive型の二つの形態に分類した。吸収像としては、皿状,U字状,波状,嚢胞様があり、吸収像の辺縁不整あるいは不明瞭なものをinvasive型とし、吸収像の辺縁平滑なものをerosive型とした。X線像においてinvasive型の骨吸収像を示す症例では、病理組織学的に血管腔等の空隙に進行しやすいものや骨吸収面との間に間質の量が少ないものが多かった。
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