1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480415
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
谷岡 博昭 愛媛大, 医学部, 教授 (10028748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜川 裕之 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (20127905)
大野 邦博 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00111609)
長門 俊一 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80084284)
橋本 温 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30108831)
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / 多形性腺腫 / 筋上皮細胞 / 抗平滑筋ミオシン抗体 / 抗プリケラチン抗体 |
Research Abstract |
愛媛大学医学部附属病院において唾液腺腫瘍と診断された70例(男性29例、女性41例)について臨床統計を行い、唾液腺腫瘍が耳下腺に多発すること(85%)、および病理学的に多形性腺腫が多いこと(57%)を明らかにした。また、本年度に購入した、生体物質分離グラジェントシステム(高速液体クロマトグラフ)を使用し、抗平滑筋ミオシン抗体、抗プリケラチン抗体を新たに分離精製した。これら抗体を用い、唾液腺の多形性腺腫40例について免疫組織化学的検索を行った。その結果、多形性腺腫においては、固有の筋上皮細胞が腫瘍化するのではなく、発生母地とされる介在部導管上皮細胞が腫瘍化に際し、筋上皮細胞への分化傾向を示すことを示唆する結果を得た。 更に、ラット正常唾液腺を用いた実験で、本抗体が唾液腺筋上皮細胞の有力マーカーになり得ることを証明した。 同時に酵素と塩酸による結合組織除去法を改良し、ラット耳下腺および涙腺介在部導管筋上皮細胞の立体微細構造を観察し、介在部導管に存在する筋上皮細胞は防錘形を有し、導管の長軸と並行に走行すること、両端より一次突起、二次突起を派生し、隣接する筋上皮細胞とこれら突起で、互いに接合することを明らかにした。
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[Publications] 浜川裕之,他: 日本口腔外科学会雑誌. 32. 1109-1120 (1986)
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[Publications] Hirofumi Ogase;Hiroaki,Tanioka,et al.: The Journal of Osaka University Dental School. 26. 193-201 (1986)
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[Publications] 長門俊一,他: 日本口腟科学会雑誌. 36. 362-384 (1987)
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[Publications] 村上通隆,長門俊一,谷岡博昭: 日本口腟科学雑誌. 36. 337-343 (1987)