1988 Fiscal Year Annual Research Report
学校歯科保健活動における低濃度フッ化物洗口法導入による齲蝕予防の研究
Project/Area Number |
61480424
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
可児 端夫 朝日大学, 歯学部, 教授 (00075996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 たみえ 朝日大学, 歯学部, 助手 (30194260)
徳本 龍弘 朝日大学, 歯学部, 助手 (20197883)
西田 晃子 朝日大学, 歯学部, 助手 (90173278)
磯崎 篤則 朝日大学, 歯学部, 講師 (40121305)
可児 徳子 朝日大学, 歯学部, 助教授 (00076019)
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Keywords | 齲蝕予防効果 / 低濃度フッ化物洗口法 / 野外研究 / 学校歯科保健 |
Research Abstract |
学校歯科保健活動の場で、従来からよく用いられていたフッ化物洗口法のフッ素濃度は500ppmであるが、このフッ素濃度をより低濃度にできれば、学校での集団管理上に安全性の向上、さらには低年齢児への応用の可能性など、フッ化物洗口法の普及が進むものと思われる。 本研究では、低濃度フッ化物洗口液(100ppm)の有用性を明らかにえることを目的として、100ppmFF^-の洗口液を用いたフッ化物洗口法を小学校に導入し、そのう蝕予防効果を比較検討した。 研究対象としては、フッ化物洗口群は82年に小学校に入学し、88年3月に卒業した139名(男子76名、女子63名)である。対照群は、87年の1年生から6年生と87年3月に卒業した児童464名(男子242名、女子222名)であり、これらの断面観察を行った。フッ化物洗口群は、フッ素濃度100ppmの洗口液を用いて週5回法により毎日給食後に洗口を行わせた。口腔診査は、各小学校とも毎年5月に視診型診査を実施した。 フッ化物洗口群のDMFT indexの増加は、抑制され、対照群に比較して高学年になるほど差が認められ、フッ化物洗口群のう蝕抑制効果を認めた。歯種別観察では、1__ー、2__ー、4__ー、5__ー、6__ー、7__ー、5^^ー、7^^ー、において、フッ化物洗口群のう蝕抑制効果が高いことを認めた。 3年間に統計分析用コンピュータソフトもかなり充実し、従来、集団の横検索しかできなかったものが、個人の個々の歯について検索できる縦検索が可能になった。そこで萌出学年によるう蝕罹患状態の検討を行ったところ、上下顎第1大臼歯では、萌出学年別う触罹患状態に差がみられ、本方法の導入は、フッ化物洗口法のう蝕予防効果の判定に有用なことが示唆された。今後この検索法を生かして、フッ化物洗口法によるう蝕予防効果を得るための洗口実施期間などの研究を確立したい。
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