1986 Fiscal Year Annual Research Report
運動が骨および筋の遺伝に与える影響に関する実験的研究
Project/Area Number |
61480454
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
勝田 茂 筑大, 体育学部, 助教授 (70038446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 薫 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (90015727)
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Keywords | 運動能力 / 遺伝的素質 / ラット / 最大酸素摂取量 / 筋線維組成 |
Research Abstract |
運動と遺伝に関する研究の多くは、一卵性双生児を用い各種のパラメーターについて、一致率および不一致率を求めることによって、いわゆる遺伝の影響を調べてきた。これはいわば横断的な研究による素質の差についての分析である。 本研究では選択交配によって遺伝的に持久能力の優れた個体をどの程度作り出すことができるのか、トレーニングの影響はどうか、などについて骨および筋の面から検討を加えようとするものである。 本年度は基礎集団(Go)の選択にあたって、分析のためのパラメーターとして最重要と考えられる最大酸素摂取量(【V!°】【O_2】max)の検討を中心に行った。密閉型小動物用トレッドミルにいくつかの改良を加え、信頼性の高い装置の作成を行った後、ラットの【V!°】【O_2】max測定を実施した。Wistar,Wistar-KY.S.D.,Donryu,Fisher344,の5系の雌雄各6匹ずつ、計60匹について測定を実施した。その結果、全例の平均値として雄99.1±6.9,雌115.3±9.7ml/kg/minが得られ、約16%雌の方が高い値を示した。また系別では、雄はFisher344が102.2±3.6、雌はWistarが121.1±7.4ml/kg/minと最高値を示した。これらの結果と並行して筋線維組成についても、前頭骨筋,長指伸筋,腓腹筋,足底筋,ヒラメ筋などについて系別に検討の結果、同じ部位の筋においても系による差が大きいことが判明した。これらの結果を基にして基礎集団(Go)の選択を検討中である。
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