1987 Fiscal Year Annual Research Report
現代社会学における計量モデルの研究とソフトウェア開発
Project/Area Number |
61510086
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白倉 幸男 北海道大学, 文学部, 助教授 (20135643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 寛 島根大学, 法文学部, 助教授 (10037004)
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Keywords | LISREL / 標本数 / 総効果 / 関節効果 / 固有値 / ブラウンの定理 / 真のスコア / ネットワークモデル |
Research Abstract |
1.LISRELモデルの分析およびソフトウェア開発については, (1)数学的統計学的問題についていくつかの前提を明らかにした. 標本数の問題については, シミュレーションを行ない, かなりの標本数が必要となることを見い出した. (2)ソフトウェア開発では, MILSの改良版で, 因果効果について総効果を直接効果と間接効果とに分解するプログラムを正しく書き直し, 社会学的変数間の直接効果だけでなく, 総効果と間接効果についても分析できるようにした. また, このプログラムを用いて現実の社会学的データを用いて分析を行った. (3)総効果や間接効果をみる場合, 行列の固有値が問題となるが, この固有値を上限をブラウンの定理に基づいて計算できるFORTRAN77プログラムを作製した. (4)これによって, 総効果の安定性を判別できる. (5)因果モデルで真のスコアから因果関係を推定するプログラムの開発. 2.カテゴリーデータの分析については, (1)ネットワークモデルの計量社会学的意味について明らかにした. とりわけ, 社会ネットワークにおけるクリーク析出の方法を比較し, 紐帯が内部で均質に分布していること, 密度のレベルを制御できること, 有向グラフへの適用可能性, クリークを含めたネットワーク全体の構造を把握できることなどが重要なポイントであることを示した. (2)Harraryらのクリーク析出のアルゴリズムをFORTRAN77プログラムで記述し, 分析に応用できるようにした. (3)質的データ, とりわけ, クロス表の分析については, 既存のソフトウェアについて利用法を明らかにして, その特徴をそれぞれECTA, GENCAT, SAS, SPSSなどについて明らかにした. (4)GLIMについては, その解析を進めるとともに日本の計算機への移植作業を継続中である. なお, 解析は基本的には旧版を用いて行なった. そして, 乗法モデルについてGLIMでの解析法を明らかにした.
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[Publications] 白倉幸男 編: "LISRELモデルのプログラミング" 北海道大学文学部社会行動学研究室, 100 (1988)
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[Publications] 白倉幸男 編: "質的データの解析" 北海道大学文学部社会行動学研究室, 150 (1988)