1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61510132
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 和雄 関西学院大, 文学部, 教授 (90165879)
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Keywords | 児童期心身症 / 学校精神衛生 |
Research Abstract |
大阪府下小学校児童1570名(うち女子746名)を対象として、42項目の心身症状項目とゲームコンピュータ,養育態度,周生期の状況などに関する総合的な調査をおこなった。その結果、心身症状項目については、乗物酔,鼻漏,便秘などについて性差が認められた。また高学年と低学年とでは男子で鼻漏,甘えた,乗物酔,頭痛に、女子では指しゃぶり,乗物酔,甘えた,頭痛などで有意差が指摘されれた。またゲームコンピュータについては、保有している児童は60.1%(男子66.9%,女子54.0%)であったが、使用回数では、毎日すると回答した子どもで、疲れやすい,咳をよくする,奇妙なくせがある,目をパチパチさせる,肩こり,無気力,反抗的,やせすぎ,目が疲れやすいの各項目で、しない子どもと比較して有意に高い出現頻度がみられた。友達が多く、毎日ゲームをしている子どもだけについては、じんましん20.3%,よく風邪をひく15.9%,夜尿8.7%と多く、友達が少なくて毎日している子どもには、反抗的35%,短気20%など行動の問題が指適された。さらに親が過干渉の子どもで、ゲームを毎日している場合、鼻汁がよく出る34.5%,疲れやすい27.6%,指しゃぶり13.8%,無気力13.8%と症状発現に母子関係も影響することが明らかになった。なお高頻度にゲームを続けている子どもについてCFF中心フリッカー検査などの精密検査を実旋したが、右眼について眼性精神疲労などの症状が有意に高いことが示され、成人のVDTテクノストレスと関連したストレスが児童期にも発症しうることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松本和雄: 少年補導. 31. 4-12 (1986)
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[Publications] 松本和雄: 人文論究. 36. 17-34 (1986)
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[Publications] 松本和雄: "「脳力」を育てる" 大阪書籍, 222 (1986)