1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540197
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 直毅 東大, 教養部, 助教授 (30016068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 宗武 東京大学, 教養学部物理教室, 教授 (10012436)
寺澤 徳雄 東京大学, 教養学部物理教室, 教授 (70012292)
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Keywords | 高スピン状態 / ワブリング運動の量子化 / 時間に依存するハートレー・フォク理論 / 非線型集団運動の量子化 / 高スピン異性体 / 非軸対称な変形の動力学 / 高励起での巨大共鳴 |
Research Abstract |
(【I】)高スピンのユラスト状態近くの励起状態(ユラル状態)で支配的となるワブリング・モードを時間に依存する変分法を使って解析し、モードの量子化に成効した。量子化の際に現われる作用は、最近ベリーの位相として注目されているが、作用束として考察し、作用束の湧源について調べている。計算量が多いので、議論を完成するに十分な領域での計算は61年度には終了しなかった。62年度に持ち越された。(【II】)最近【^(182)OS】で発見された高スピン異性体は、特異な脱励起のパターンを示すが、このデータについて、高い角運動量を負う独立粒子の軌道を占めている陽子・中性子が離対・回転整列する機構から、異性体の寿命,脱励起について説明した。そこでそれ等の軌道にある陽子・中性子の相互作用が角運動量整列したときエネルギー優位になることが重要であることがわかった。第1バック・ベンディングと第2バック・ベンディングの間でのユラル状態の解明が、この実験に見られる特異な脱励起パターンの解明に深くかかわっていることが61年度の計算で示唆されるので62年度の課題の1つとなった。(【III】)奇核に見られる脱結合バンドは指標によって二つに分類されるが、E2遷移に強い指標依存性が認められている。この指標依存性が深く非軸対称性とかかわっていて、非軸対称性のパラメータの揺動の効果について調べ指標依存性の機構を明らかにした。ルンド流のδ正値の可能性についても検討を始めた。(【IV】)正値δの場合脱結合バンドのエネルギー・スペクトルの逆転現象の説明が出来た。(【V】)高スピンや高励起状態の上に立つ巨大共鳴の脱励起が中性子蒸発と競走して生じる実験をアイソ・スピンの破れから説明することを始め、中間的な結果が出はじめている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Onishi: Nuclear Physics. A452. 71-92 (1986)
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[Publications] N.Onishi: Nuclear Physics. A456. 279-297 (1986)
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[Publications] N.Tajima: Physics Letters. B179. 187-191 (1986)
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[Publications] A.Arima: Nuclear Physics. A459. 286-316 (1986)
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[Publications] E.Shiino: Physical Review. C34. 1004-1011 (1986)
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[Publications] M.Ichimura: Physical Review. C34. 2326-2329 (1986)