1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
的場 優 九大, 国立大学(その他), 教授 (60037827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井尻 秀信 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (90136549)
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Keywords | 原子核の高励起状態 / 高励起状態のダンピング / 高分解能スペクトログラフ / 焦点面検出器 / マイクロコンピューターを使用したデータ収集・処理システム / 原子核反応 |
Research Abstract |
この研究は申請者等が大阪大学核物理研究センター(以下、核物理研究センターと略す)で行なっているAVFサイクロトロンにより加速した中エネルギー粒子による高励起状態の研究の一環として行なわれているものであり、特に高励起状態のダンピング機構の解明を直接の目的としている。具体的に核物理研究センターにおける実験装置,特に高分解能スペクトログラフ用焦点面検出器のデータ収集システムの強化と九州大学総合理工学研究科(以下、九大総理工と略す)におけるデータ処理システムの整備を行ない、効率的な研究の遂行を計ったものである。昭和61年度この科学研究費の配分の内示があった段階で直ちに、(1)核物理研究センターにおけるデータ収集系と九大総理工におけるデータ処理系の整合を目的とした設備備品の導入,(2)核物理研究センターの焦点面検出器の改良,(3)核物理研究センターに提案すべき新しい実験,等の検討を開始し、研究体制の確立を行なった。科学研究費配分決定後、まず高分解能スペクトログラフ用焦点面検出器の長さを1.5mから1.8mにし、高励起状態の測定範囲の拡大を計り、測定効率を30%向上させることに成功した。データ収集系に積極的にマイクロコンピューターを導入し、測定データを計算機から出さずに連続的処理が可能なシステムを設計,発註した。新システムの完成により、これらの実験ばかりでなく、これまでの実験のデータの処理も効率よく進むようになり、大型計算機センター等の利用による不便さのため数年間かかっていた1実験のデータ処理が数ケ月で終わるようになった。昭和61年度は核物理研究センターで2回の実験を実行し、また昭和62年度も2回の実験を計画しており、これら4回の実験データを総合して、原子核の高励起状態のダンピング機構について系統的な研究を行ない原子核の高励起状態の生成消滅現象を解明する予定である。
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Research Products
(2 results)