1986 Fiscal Year Annual Research Report
重イオン衝突による高電離2次イオンの発生とその応用研究
Project/Area Number |
61540284
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
戸沼 正雄 理研, その他, 研究員 (90087396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 力 理化学研究所, 原子過程研究室, 主任研究員 (40010714)
熊谷 秀和 理化学研究所, リニアック研究室, 技師 (80142107)
べい 碩喜 理化学研究所, サイクロトロン研究室, 研究員 (30125231)
俵 博之 名古屋大学, プラズマ研究所・情報センター, 助教授
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Keywords | 重イオン衝突 / 原子・分子のイオン化 |
Research Abstract |
重イオン衝突によって生成される2次イオンの電荷分布を既存の装置で測定した。重イオンは理研の重イオンリニアックからの1.05MeV/amu【Ne^(q+)】および【Ar^(q+)】イオンを使用し、気体の原子・分子ターゲットを用いた。 原子ターゲットをNeとした時、生成される2次イオン【Ne^(i+)】はi=9までを観測した。この電離断面積を同じ電荷の入射イオン【Ne^(10+)】と【Ar^(10+)】で比較すると、i=1〜6の領域では断面積はほぼ同じであるが、i【>!_】7では、【Ne^(10+)】イオン衝突の時の方が大きく、またiが増すとともにその差は急激に大きくなる結果を得た。これは衝突系が【Ar^(10+)】-Neのときには直接電離が主であるのに対し、【Ne^(10+)】-Ne系の時には、直接電離だけではなく、NeK-K殻電子移行反応が寄与していると考えられる。 以前分子ターゲットを【N_2】にした時の実験で、高電離単原子イオン【N^(i+)】を観測した。これは衝突の初期に高電離分子イオン【N^(j+)_2】が形式され、そしてクーロン爆発によって分裂し、高電離単原子イオンが生成されると推定した。このことを裏づけるために分子ターゲットの種類を多くして実験を行った。入射イオンは1.05MeV/amu【Ar^(12+)】を用いた。観測される電荷分布の各ピークの位置のずれから、衝突時に得られる初期の運動エネルギーを算出した。【N_2】、【C_2】【H_2】、CO、NO、【I_2】の単原子イオンの電荷i=3〜17について整理すると、初期の運動エネルギーはクーロン力による分裂と考えた値にほぼ一致し、また【i^2】に比例する。このことから、分子ターゲットの時の高電離単原子イオンは高電離分子イオンがクーロン爆発によって分裂し、生成されることが立証された。 今年度に交付された補助金で「高速重イオン分析用静電型アナライザー を製作し、既存の2次イオン測定装置の後方に設置(昭62年2月)し、調整中である。
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[Publications] H.Tawara;T.Tonuma;H.Shibata;M.Kase;T.Kambara;S.H.Be;H.Kumagai;I.Kohno: Phys.Rev.A. 33. 1385-1388 (1986)
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[Publications] S.H.Be;T.Tonuma;H.Kumagai;H.Shibata;M.Kase;T.Kambara;I.Kohno;H.Tawara: J.Phys.B:At.Mol.Phys.17. 1771-1779 (1986)
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[Publications] T.Tonuma;H.Shibata;S.H.Be;H.Kumagai;M.Kase;T.Kambara;I.Kohno;A.Ohsaki;H.Tawara: Phys.Rev.A. 33. 3047-3053 (1986)
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[Publications] H.Tawara;T.Tonuma;S.H.Be;H.Shibata;H.Kumagai;M.Kase;T.Kambara;I.Kohno: Z.Phys.D--Atoms,Molecules and Clusters. 2. 239-242 (1986)