1986 Fiscal Year Annual Research Report
屋外実験池における水質環境と一次生産および微生物変動に関する研究
Project/Area Number |
61540480
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
相崎 守弘 公害研, その他, 研究員 (20109911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花里 孝幸 国立公害研究所, 生物環境部, 研究員 (60142105)
河合 崇欣 国立公害研究所, 計測技術部, 主任研究員 (50109906)
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Keywords | 屋外実験池 / リンの挙動 / 動物プランクトン影響 / 藻類種変動 / 細菌数変動 |
Research Abstract |
国立公害研究所臨湖実験施設にある実験池6個を用いて実験を行った。それぞれの実験池は一辺が3mの6角型をしており深さは1.8mである。実験条件を統一するために池の内側にはナイロン製の内張シートを張って実験を行った。水の滞溜時間は10,20および40日とし、No1〜No3の実験池ではリンの表面積当りの負荷量を10mg・【m^(-2)】【d^(-1)】とした。その結果、滞溜時間に応じて負荷濃度は0.230,0.116および0.058mg/Iとなった。一方、No4〜No6の実験池ではリンの表面積当りの負荷をそれぞれ、20,10および5mg【m^(-2)】【d^(-1)】とした。その結果リン負荷濃度は0.115mg/I程度となった。栄養塩の供給はペリスターポンプを用いて冷蔵庫に保存したタンクから行った。水の滞溜時間は霞ヶ浦の除濁湖水を用いて変化させた。リンの試薬としてはK【H_2】P【O_4】を用いた。窒素の試薬はN【H_4】N【O_3】を用いN/P比が10になるよう調整した。以下に得られた結果を述べる。 1.藻類現存量に対する動物プランクトンの影響は非常に大きなことが明らかになった。動物プランクトンの摂食活動による栄養塩の回帰は少かった。 2.低濃度の栄養塩を添加した池ではケイ藻が優占する場合が多かったが、高濃度の場合には緑藻類が優占した。ラン藻類の優占は見られなかった。 3.生菌数が急激に変化する時期が存在し、その主要因はなんらかの原因により細菌がフロックを形成する為であろうことが推測できた。 4.負荷濃度と実験池中の濃度の比をとると、滞溜時間の違いによりこの比が大きく変化することが明らかとなった。すなわち、滞溜時間が短かい場合にこの比が大きく、長くなるにしたがって低下することがわかった。 5.懸濁物中のクロロフィル含量,C,N,P含量は季節により大きく変動しており、クロロフィルa/懸濁態リン比は0.5〜4の範囲で変動することが明らかになった。
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