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1986 Fiscal Year Annual Research Report

ペプシノゲン遺伝子の発現転換機構と分子進化

Research Project

Project/Area Number 61540513
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

八杉 貞雄  東大, 理学部, 講師 (70011591)

Keywords分子進化 / ペプシノゲン / 脊椎動物 / 個体発生 / 遺伝子発現制御
Research Abstract

昭和61年度においては、脊椎動物諸綱の代表的動物について、胃におけるペプシノゲンの存在とその免疫学的性質が系統的に調べられた。その結果軟骨魚類から哺乳類に到るすべての脊椎動物の胃に、抗ニワトリ成体型ペプシノゲン抗体(anti-ACPg)と免疫螢光法で反応する物質が存在することが明らかになった。これらの胃の粗抽出液について、ペプシン活性の測定,ペプスタチンによるその阻害,電気泳動後のペプシン活性染色(ザイモグラム),イムノブロッティングなどによりanti-ACPg反応性物質の性質を検討したところ、大部分の動物において、抗体反応性物質はペプシノゲンであることが明らかになった。このことは、脊椎動物のペプシノゲンの少くともある分子種は進化の過程でよく保存されて免疫的交差性を維持していることを示唆する(以上論文として発表)。さらに、魚類の数種の胃には、抗ニワトリ胚型ペプシノゲン(anti-ECPg)と反応する物質があり、これも少くとも一部のものはペプシノゲンであった。このことはペプシノゲンの分子進化と個体発生について重要な知見を提供する。また原索動物(ホヤ)でもanti-ECPgと反応する物質が胃に存在するが、この物質はペプシン活性をもたないことが生化学的に明らかになった。従ってホヤのこの物質は、脊椎動物ペプシノゲンの起原を推察する上で重要な手がかりを与える(以上論文準備中)。
以上の結果をふまえて、昭和62年度には、ニワトリペプシノゲンCDNA(すでに作製ずみ)を用いて、脊椎動物,原索動物のDNAとのサザンハイブリダイゼーションを行って、これらの動物のペプシノゲン遺伝子間の相同性や、活性部位に特異的な塩基配列の存在の有無を調べ、またいくつかの代表的脊椎動物について、個体発生におけるペプシノゲン遺伝子の発現(転写)の制御機構,ペプシノゲンアイソザイムの転換機構を明らかにする予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All Other

All Publications (5 results)

  • [Publications] T.Mizuno: C.R.Soc.Biol.180. 113-116 (1986)

  • [Publications] K.Takiguchi: Roux's Arch.Dev.Biol.195. 475-483 (1986)

  • [Publications] S.Yasugi: Comp.Biochem.Physiol.87. (1987)

  • [Publications] S.Yasugi: Comp.Biochem.Physiol.

  • [Publications] S.Yasugi: Comp.Biochem.Physiol.

URL: 

Published: 1988-11-10   Modified: 2016-04-21  

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