1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540575
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鎌田 泰彦 長崎大学, 教育学部, 教授 (50039400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 寛 長崎大学, 教育学部, 助手 (80108274)
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Keywords | 西南日本 / 中国地方 / 山陰地域 / 海浜砂 / 重鉱物 / 粒度組成 / 炭酸塩含有量 / 鳴り砂 |
Research Abstract |
1.海浜砂試料の採集:1987年8月2〜7日に, 中国地方山陰地域の53か所において, 波打際表層部の海浜砂を採集した. 昇別の採集地点数は, 山口14, 島根21, 鳥取13, 兵庫5か所である. 2.粒度組成:各地点において, 試料は最も細粒部を採集した. 概括的に山口〜島根西部では細粒砂, 島根の大部分と鳥取西部は中粒砂, 鳥取東部〜兵庫は再び細粒砂が卓越する. また, 阿武川・江川・天神川のような大きな河川の河口付近には粗粒砂が優勢となる. 中央粒径値が示す粒度の地点数の頻度は, 粗粒砂が6(11%), 中粒砂30(57%), 細粒砂17(32%)である. 3.炭酸塩含有量:海浜砂中に含まれる海生生物遺骸起原のCaCO_3量を, 希HCl処理法により測定した. 全体的には, 2%以下が31地点で58.5%であるが, 10%以下となると42地点で79.2%である. とくにCaCO_3量の多いのは, 山口県の豊北町一帯の海浜砂であり, 50〜70%を示す. これは, 玄海灘を通過した対馬暖流の外海水が直接陸岸に接近するためと考えられる. 4.重鉱物組成:海浜砂試料中の細粒砂(-60〜+115mesh)について, ブロモホルム重液(比重約2.9)を用いて, 重鉱物と軽鉱物とに分離した. この粒度における重鉱物含有量は, 0.1〜91.1%の広い範囲に及ぶ, 地域的には, 島根西部や鳥取中央部に高率があらわれるが, これは強磁性鉱物(主として磁鉄鉱)の含有率に対応する. 透明重鉱物として, 火山岩起原のシソ輝石・普通輝石・緑褐色角閃石・褐色角閃石が優勢である. その他, 緑簾石が山口西部, 緑閃石(陽起石)は島根西部に特徴的にあらわれる. 5."鳴り砂":本調査中, 山陰地域の4か所の砂浜に"鳴り砂"現象を確認した. 福岡県やアメリカ・マサチューセッツ州Cape Cod産の浜砂と共に, 粒度組成・鉱物組成・円磨度などを検討した. その結果, "鳴り砂"現象は石英含有量と円磨度が主要因となる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鎌田泰彦: 日本地質学会第95年学術大会講演要旨集(琉球大学). (1988)
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[Publications] 鎌田泰彦: 堆積学研究会報. 28. (1988)
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[Publications] 鎌田泰彦: 堆積学研究会報. 28. (1988)