1987 Fiscal Year Annual Research Report
(nα)核反応を利用したLiF結晶の熱ルミネッセンス高感度化の研究
Project/Area Number |
61550023
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
原沢 進 立教大学, 原子力研究所, 教授 (90062546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 文夫 立教大学, 原子力研究所, 助教授 (20062606)
服部 学 立教大学, 原子力研究所, 教授 (10062465)
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Keywords | LiF / 中性子照射 / 熱ルミネッセンス / 個人被曝計量計 |
Research Abstract |
中性子照射されることによる熱ルミネッセンス特性の変化の中で今年度は次の点を詳しく調べた. (1)中性子照射されたLifのグロー曲線について 中性子被曝されたLifの熱ルミネッセンスのグロー曲線が, γ線被曝のものにくらべて, 高温側に新しいピークを用することが知られている. この事実について従来は, 新しいピークは中性子損傷によるものと言われていた. しかし, γ線被曝量を高くしたLifにおいて同様なピークが生ずることと, ^6Li(nα)^3Hの発生エネルギーがLif結晶内で全て吸収されと計算された量のγ線線量の値の比較から, 中性子照射により生ずるグロー曲線の新しいピークは, 線量が大きいために生じるものが大部分で損傷による部分は少ないことを結論づけた. このグロー曲線のちがいはLifにより中性子線量を測定する際の中性子-γ線の識別に利用できると思われる. (2)Lifの^3Hの挙動について 昨年度に問題とされた, ^6Li(nα)^3H 反応により生成される^3HのLif内の挙動について引続いて調べた. 一般Lif内で熱拡散が大きいとされる800°Cで30分以上熱処理しても, ^3Hが残っていたずらしていることが分った. 今後は熱処理の雰囲気を変えて, 引続いて実験を繰り返す予定である. (3)中性子線量個人モニタへの応用 本研究の開連から, Lifを用いて中性子個人被曝線量計への応用も行なった. 中性子ビーム実験ではγ線と同等に中性子被曝も大きいと予想されたからである. アルベド法を用いて一年以上測定結果を蓄積した. ビーム実験をする場合1/2程度は中性子線被曝量によるものであることが分った. これの開発も進めていく予定である.
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