1988 Fiscal Year Annual Research Report
トンネル内交通流のシミュレーションに関する基礎的研究
Project/Area Number |
61550387
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
巻上 安爾 立命館大学, 理工学部, 教授 (90121615)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 恒彦 立命館大学, 理工学部, 助教授 (40066725)
|
Keywords | 交通流理論 / 交通シミュレーション / トンネル交通 |
Research Abstract |
1.ビデオ解析;前年度までに解析した時間帯のうち、渋滞発生前後の時間帯に注目し、各走行車のトンネル内走行時間を各調査地点の再生画面を追跡することにより求め、以降のシミュレーションによる演算結果と比較してモデルの検証を行うための資料とした。 2.追従理論の感応係数の推定;本研究の対象としている天王山トンネルのある名神高速道路京都南〜茨木間で試験走行を行ない、トンネル内の加減速の状況と渋滞後尾へ達した際の減速度を計測した。その方法は前年度のテレビカメラを主体とした方法に加えて、車間距離測定装置を用いて実験車とその前車との間の距離も測定しながら、走行速度および加減速度の実測を行ない、結果を追従理論式に代入して感応係数の推定を行なった。 3.モデルの稼働と検証;62年度までに改良修正を加えたプログラムを用いて、渋滞発生前後の30分間の交通状況を演算させ、自由走行および渋滞の両領域の時間帯について、走行速度、走行時間および走行軌跡等の実測値との比較検証を行なった。シミュレーション結果にはまだ低速走行車両の影響が出ているが、追従理論の適用範囲と速度傾向の限界値の調整によりキャリブレーションを実施し、現行シミュレーションの最終値として妥当な結果を得た。 4.制御手法の検討;現況シミュレーションの最終結果を利用して、各種制御手法のトンネル内交通流に及ぼす影響の評価を試みた。検討を行った制御手法は、1)トンネル坑口付近における流入調整、2)トンネル交通容量の向上策、および3)トンネル内車線利用規制の3案である。結果はいずれの案も渋滞の発生が著しい追越車線における速度の向上が認められ、効果のあることが確かめられた。
|
-
[Publications] 巻上安爾 他: 土木学会論文集. 401/IV-10. 119-128 (1989)
-
[Publications] 巻上安爾,久門木信夫: 日本道路会議論文集. 17. 237-238 (1987)
-
[Publications] 巻上安爾: "道路工学" 理工図書, 1-291 (1988)