1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550428
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
小林 定教 福山大, 工学部, 教授 (00024315)
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Keywords | 壁面近傍の気温分布 / 取合い部分の気温分布 / 室内表面の対流熱伝達率 / 取合い部分の対流熱伝達率 |
Research Abstract |
本年度は、室内表面の対流熱伝達率を測定するための装置を作成し、恒温室においてその装置の測定精度ならびに測定方法について実験・検討した。 1壁面近傍気温測定装置の作成:この研究では、対流熱伝達量を壁面近傍の気温勾配と空気の熱コンダクタンスより算出する方法を採っている。そのため、隅角部における壁面近傍の気温を正確かつ容易に測定できる気温測定装置ならびにそのセンサー部を任意の位置に移動することができる装置を大型のカメラスタンドの一部を改良して作成した。 2対流熱伝達率の測定方法と測定精度に関する検討:現在までに非恒温室において、測定所要時間内の気温変動に伴い生ずる測定誤差について実験・検討を行なってきた。本年度は、測定装置自身による誤差について考察するため、恒温室内において、単一板の模型壁面を対象に実験し、センサーとセンサーホルダの位置関係を正確に測定できれば、壁面近傍気温より表面温度を推定すること、壁面近傍0〜2mmの範囲で4〜5点測定すれば熱伝達量を求めることが可能であることを得た。 3実大壁模型装置の作成:模型壁面の熱源には面状発熱体を用い、それを比例制御装置でコントロールし、隅角部の対流熱伝達率を求めたが、その際に用いる気温については定説もないため、今後の研究課題の一つとなった。 以上の実験研究より、室内中央部ならびに隅角部の局所熱伝達率の測定方法とその問題点が明らかになったので、来年度以降は、出来る限り多くの建築物の室内壁面を対象に測定し、種々の壁面・隔角部の類別化を計り、その結果を恒温実験室の模型壁面において検討し、設計値としての対流熱伝達率と対流熱伝達率の測定方法を提案したいと考えている。
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