1986 Fiscal Year Annual Research Report
微粒酸化鉱物の浮選分離に及ぼす疎水性相互作用に関する研究
Project/Area Number |
61550459
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松岡 功 東北大, 工学部, 助教授 (80005264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 進 東北大学, 工学部, 助手 (40124599)
鈴木 光郎 東北大学, 工学部, 助教授 (50004297)
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Keywords | 疎水性凝集 / 表面被覆率 / 分配吸着 |
Research Abstract |
捕収剤を吸着した粒子は強い疎水性凝集を起すことが知られている。本研究では、石英、ヘマタイトに対するアミンの吸着量、ち電位、凝集実験を行なって、どのような条件で疎水性凝集が生じ、どのように浮選分離に影響するのかを検討した。本年度で得られた結果をまとめるとつぎのようである。-10μmヘマタイト、65〜100mesh石英を用いて浮選分離におよぼす捕収剤の添加量の影響を検討した結果、単独試料の浮遊性には差が認められるが、1:1混合試料にすると粗粒石英の浮遊性は減少し微粒ヘマタイトと同様の浮遊性を示すために両者の差は認められなくなる。 微粒ヘマタイト、粗粒石英に対するドデシルアミンの吸着等温線を測定した結果、石英に対するそれは3×【10^(-5)】Mで、ヘマタイトに対するそれは2×【10^(-5)】Mでそれぞれ急激に立ち上がりやがて飽和した。石英とヘマタイトに対する吸着等温線は3×【10^(-5)】M以上では差が認められないこと、ならびに両者とも二分子層吸着を示すことなどが確認された。 混合試料中での両鉱物に対するドデシルアミンの分配吸着を検討した。その結果、混合試料に対する吸着等温線はそれぞれの単独試料の吸着等温線から計算されるものと一致することを認めた。したがって両鉱物に分配されるドデシルアミンの吸着量を平衡濃度から算出できる。 吸着量と浮遊性の関係を求めた結果、100%の浮鉱率を得るのに粗粒石英では表面被覆率θ=6%、微粒ヘマタイトではθ【〜!〜】100%が必要である。一方、混合試料では石英は浮遊するのに充分な吸着量を有するにもかかわらず浮遊しにくくなることが認められた。
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