1986 Fiscal Year Annual Research Report
ソリューションロス反応後におけるコークスの摩耗強度
Project/Area Number |
61550488
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 康男 東北大, 選鉱製錬研究所, 教授 (20006026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重野 芳人 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (70108570)
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Keywords | ソリューションロス / コークス / 摩耗 / 粉化 / 高温セメント / 反応率 / 摩耗強度 |
Research Abstract |
高炉内におけるコークスは、ソリューョンロス反応によりその強度が低下し、粉化する。この反応に伴う粉化の機構は非常に複雑であり、衝撃による破壊と摩耗が同時に進行する。本研究では、後者の摩耗強度に焦点を当て、回転円盤法を利用した強度評価法の研究を継続中である。この研究の特徴としては、特に一次元方向に反応率分布を有する試料の作成と、試料内摩耗強度分布の測定が可能である点にある。現在このような試料作成の方法として、【Na_2】O-Si【O_2】系高温セメントによりコークスの反応面以外を覆い、被覆面からの酸化性ガスの浸入を防止している。しかし、セメントに含まれる【Na_2】Oはカーボンソリューションロス反応に強い触媒効果を有するので、試料内の気孔率分布を正確に制御するには、問題点もある。したがってAl【H_3】【Po_4】-Si【O_2】系あるいはその他の高温用セメントの炭材との接着またはぬれ性の観察を高温顕微鏡で行い、実験に適する組成を模索中である。本研究で開発した【Na_2】O-Si【O_2】系高温用セメントを使用し作成した試料により、以下のような結論を得た。 1)本試験法は限られた条件下では摩砕の原理に従うので、一定条件下ではコークスを始めとする多孔質脆性体の摩耗強度測定の基準的方法として使用可能である。 2)本試験法による摩耗強度指標は反応率に対し、酸化性ガスの種類や温度によらず、おおよそ1次の関係のあることがわかった。 3)基質の摩耗強度の評価方法を提案し、基質強度は反応率によらず、ほとんど低下しないことを明らかにした。したがって、反応にともなう摩耗強度の低下は、細孔壁が薄くなることによると結論される。
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Research Products
(1 results)