1988 Fiscal Year Annual Research Report
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61550518
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| Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
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Principal Investigator |
渡辺 忠雄 東北大学, 工学部, 助手 (40005327)
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| Keywords | 粒界設計 / 脆性および粒界破壊の制御 / 粒界性格分布 / 磁性材料 / SEM-ECP法 / 急冷凝固 / Fe-6.5mass%Si / 集合組織と粒界 / 低エネルギー粒界 |
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| Research Abstract |
磁歪がほとんどなく、高い電気抵抗比をもつFe-6.5mass%Si合金は、磁性材料として優れた磁気特性を有することから、これまでこの材料の開発に対して多くの試みがなされてきた。しかしこの合金は非常に脆いために通常の加工法が応用できず開発が遅れていた。ところがこの合金を融体より急冷凝固法によって薄帯とし、さらに焼鈍を行うことによって、非常に延性に富み、優れた磁気特性をもつ材料が開発されうることが最近見出された。そこで本研究は通常、非常に脆ないFe-6.5mass%Si合金が急冷凝固および焼鈍によって延性に富み、優れた磁気特性を生じる原因を明らかにし、多くの磁性材料にみられる脆性の改善のための方法を開発するための基礎的研究として行われた。本研究では、とくに薄帯中に導入される粒界の性格および出現頻度、いわゆる粒界性格分布を実験的に明らかにした。融体より双ロール法によって急冷凝固させた多結晶体薄帯の平均粒径は約10μmであるが、これを1363K以上の温度で十分焼鈍(13.6Ks)すると、平均粒径が600μm以上の粗大粒多結晶体が得られる。薄帯は焼鈍温度によって異なるタイプの集合組織をもつことが明らかにされた。1363Kで焼鈍された{100}集合組織において、非常に高頻度(=25%)の低角、粒界および低Σ対応粒界(=20%)が存在することが走査電顕-エレクトロンチャンネリングパターン(SEM-ECP)法によって明らかにされた。このように高延性を示した{100}集合組織をもつFe-6.5mass%Si薄帯では、粒界破長をしにくい低エネルギー粒界が約50%近い高頻度で存在することが明らかにされた。また{110}集合組織を持つ薄帯(1473Kで焼鈍された)で、同様に高頻度の低エネルギー粒界が存在することが明らかにされた。急冷凝固焼鈍によって作製されたFe-6.5mass%Siの高延性は粒界破壊を起こしにくい低エネルギー粒界が高頻度に導入されたことによることが明らかにされ、粒界設計に基づく材料開発が実現された。
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[Publications] Tadao,WATANABE: Proceedings of MRS Intern.Symp.on Interfacial Structure,Properties and Design,The Matkerials Research Society. 122. 443-454 (1988)
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[Publications] Tadao,WATANABE: Materials Forum,Australia Bicentenary Anniversary Volume. 11. 284-303 (1988)
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[Publications] Tadao,WATANABE;Hiroyuki,FUJII;Hiroshi,OIKAWA,Ken-Ichi,ARAI: Proceedings of the 5th Japan Inst.Metals Intern.Symp.(JIMIS-5)on Non-equlibrium Solid Phases of Metals and Alloys. 29. 123-126 (1988)
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[Publications] Tadao,WATANABE;Hiroyuki,FUJII;Hiroshi,OIKAWA,Ken-Ichi,ARAI: Acta Metallurgica. 37. 941-952 (1989)
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[Publications] Tadao,WATANABE;Ken-Ichi,Arai;Kyosuke,Yoshimi;Hiroshi,Oikawa;Hiroshi,OIKAWA,: Philosophical Magazine Letters. 59. (1989)
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[Publications] Tadao,WATANABE;L.C.Lim: Scripta Metallurgica. 23. (1989)
