1986 Fiscal Year Annual Research Report
パルスMIG溶接における溶触池現象のCCDカメラによる観察と適応制御に関する研究
Project/Area Number |
61550540
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大嶋 健司 埼大, 工学部, 助教授 (70026087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勇一 埼玉大学, 工学部, 助教授 (30134828)
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Keywords | パルスMIG溶接 / CCDカメラ / 画像処理計測 / 溶融池現象のデジタル制御 / 溶融池幅 / 溶融池面積 / 冷却速度 / モデル規範型適応制御 |
Research Abstract |
本年度において画像処理技術およびデジタル制御とくに適応制御理論をパルスMIG溶接に適用した。 1.従来、アーク光が強いので、その直下にある溶融池をTVカメラで観察することは困難であった。まず、溶接電流を周期的に低くし、その期間に低残像のCCDカメラを用いて溶融池をオンラインで観察することを試みた。つぎに、デジタル制御におけるサンプリング周期および演算遅れ時間を短くするための溶融池サイズの画像処理法について考察している。これは溶融池外周を追跡しながら、溶融池面積および幅を求える方法である。 2.制御量として溶融池幅および溶込み深さがあげられる。操作量として溶接電流を採用した。幅および深さの電流に対する動特性が近似しているので、その良好な過渡応答を得るために溶融池幅を制御した。デジタル制御理論を用いて、望ましい溶融池応答を得るためのコントローラを設計し、これをパーソナルコンピュータで構成している。実験結果によれば、外乱があるにもかかわらず、溶融池形状は目標値に定常偏差なく応答している。 3.本年度における熱入力の制御は電流によるが、熱入力を増減する目的の一つは、溶接金属の要求する機械的諸性質を満足させるために、適正な冷却速度を溶接金属に与えるためである。予測しがたい母材の熱伝導の変化、あるいは板厚の変化にかかわらず、冷却速度を改善するために溶融池面積の適応制御を行った。モデル規範型適応制御を適用し、パーソナルコンピュータを用いてコントローラを実現し実験を行った結果、制御性能のあることがわかった。今後、溶融池形状を制御すると同時に冷却速度を改善するために、溶融池幅と面積あるいは溶融池長さを溶接電流および溶接速度によって制御するいわゆる多変数制御について考察する。これは溶接ロボットにおける電流とアームの動作を制御する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenji Ohshima: Proc.of 1986 Int.Conference on Power Conversion and Industrial Controls. 91-96 (1986)
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[Publications] 大嶋健司: 電気学会論文誌D分冊.
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[Publications] 大嶋健司: 溶接学会論文誌.