1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550542
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 正 阪大, 溶接工学研究所, 助手 (60093431)
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Keywords | ぬれ / アルミニウム合金 / はんだ付 / 不純物 / 表面張力法 / フラックス / ホウフッ化物 |
Research Abstract |
表面張力法によるぬれ特性の測定装置にマイクロコンピュータ(本年度購入設備備品)をとりつけ、アルミニウム試験片とアルミニウム用はんだとの反応により試験片に加わる張力の時間変化をマイクロコンピュータで自動計測できるプログラムを作成した。測定データはAD変換し、1/100秒毎にとりこみ、いわゆるぬれ曲線を記録し、ぬれ時間,ぬれ速度,最大ぬれ力等を求めた。また、数回(6〜10回)の測定データの平均化プログラムも作成し、平均的なぬれ曲線を描くことができるようになった。 表面張力法においては測定手順に関係した多くの因子が影響を及ぼすと考えられるので、これらの要因を統計解析し、管理パラメータを決定した。これに基づき、実験手順を確立し、データの再現性を高めることができ、信頼性の高い結果が得られた。このように管理された実験手法のもとでまず、アルミニウムとその合金のぬれ性におよぼすフラックス組成の効果を検討した。はんだはアルミニウム用として標準的なSn-9Znを使用した。フラックスはトリエタノールアミンとホウフッ化アンモニウムを主成分とし、それに等グラム当量の各種ホウフッ化金属塩を添加した。その結果、ホウフッ化金属塩を含まないものよりも、添加したものの方が概してぬれ性が良好で、特に、Sn,Cd,Zn等比較的低融点金属の添加が有効であることがわかった。これらの金属塩を含むフラックスでは、はんだ付加熱時にフラックスがアルミニウムと反応し、アルミニウム表面の酸化皮膜が除去され、そこに添加金属が析出することが走査電顕,EPMA,X線回析により明らかとなった。すなわち、フラックス中の金属塩からアルミニウム表面に金属が析出被覆されるので、ぬれ性はこの析出金属のはんだとのぬれ性,量,被覆の安定性に支配されることが明らかとなった。
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[Publications] 竹本正,岡本郁男: 軽金属溶接.
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[Publications] 竹本正,岡本郁男: 軽金属.