1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550542
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 正 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (60093431)
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Keywords | ぬれ / アルミニウム合金 / はんだ付 / 不純物 / 表面張力法 / Sn-Zn合金 / フラックス / 添加元素 |
Research Abstract |
前年度に確立した, 管理された実験手順および実験条件下で, マイクロコンピュータによる自動計測ならびに結果の解析を行い, 各種アルミニウム合金板のぬれ特性を評価した. フラックスは前年度検討したもののうち, ホウフッ化すずを添加したものと無添加のもので, 基本組成はトリエタノールアミンとホウフッ化アンモニウムから成っている. Sn-Zn系はんだの組成と温度の効果を検討したところ, ぬれ時間は当然はんだ浴温度の上昇とともに短くなった. いま, 各組成のはんだについて, 固相線温度+30°Cの条件下でのぬれ時間を比較すると, Si-40Znはんだにおいて最も短くなった. また一定温度, 例えば400°Cで比較すると, Sn-20Znはんだのぬれ時間が最も短かった. ぬれ時間の逆数の対数と試験温度(絶対温度)の逆数のプロットは直線となった. この直線の傾きから求まる見かけの活性化エネルギーは役6〜20kcal/molの範囲にあり, 共晶組成付近で最低となった. 活性化エネルギーのはんだ組成依存性は, 溶融Sn-Zn系の相互拡散の活性化エネルギーの組成依存性と類似しており, はんだ浴への母材の溶解, 拡散がぬれ時間と関係しているものと推定された. 母材アミニウム合金の表面処理とぬれ時間関係を調べたところ, フッ酸による洗浄がぬれの促進に有効であった. ただし, Mg含有量の多い5154合金などではフッ酸洗浄によっても良好なぬれを示さず, はんだ付しにくい合金であることがわかった. そこでMg含有量とぬれ時間の関係を検討したところ, およそ2.5%Mg合金までならば, フッ酸洗浄後, 1.3秒程度のぬれ時間を確保できた. それ以上のMgではぬれ時間が増大し, ぬれの張力も極端に小さくなるので, ぬれ性が劣ることが明らかとなった. その他高純度アルミニウム合金について, 各種添加元素の単独添加の影響を検討している.
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[Publications] 竹本正, 岡本郁男: 軽金属溶接.
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[Publications] 竹本正, 岡本郁男: 軽金属.