1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550542
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 正 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (60093431)
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Keywords | ぬれ / はんだ付 / アルミニウム合金 / 添加元素 / フラックス / 表面張力法 / Sn-Znはんだ |
Research Abstract |
各種アルミニウム合金のぬれ特性に及ぼす母材合金元素の影響を検討した。その結果、市販合金中の不純物としてはTiがぬれを著しく低下させることが明らかとなった。純二元系合金により検討の結果、Ti含有量0.08%でぬれ性を低下させることが確認できた。その他、各種母材合金元素中のぬれ性に及ぼす合金元素の影響は次のように要約できる。 (1)市販合金中の各種添加元素のぬれ性に及ぼす効果を重回帰分析した結果、ぬれの張力とぬれ時間は各種元素添加量(αt%表示)と一次回帰式の関係で表わせることがわかった。 (2)市販合金の中では、6061、7075、2000系およびMg含有量の多い5000系合金のぬれ性が劣る。 (3)高純度二元合金で検討した結果は市販合金の重回帰分析による予測結果とよい対応関係を示した。 (4)アルミニウムへ添加してぬれ特性を積極的に改善する元素はなくわずかに、Gdだけがぬれ性を改善する元素といえた。 (5)ぬれ性を著しく低下させる元素はTiの他に、Cu、Mgがあり、さらに、Mn、Znなども好ましくない元素といえた。 (6)本研究の範囲内では、Fe、Zn、Si、Ni、Crなどはさほど有害な元素とはいえなかった。 (7)純アルミニウムのぬれ性(99.99%の高純度アルミニウム)が最も優れていることから、ぬれ性に優れた高強度アルミニウム合金設計にはFe、Zn、Si、Ni、Crなどを添加し、ぬれ性を劣化させるTi、Cu、Mgを極力、抑制することが必要であることがわかった。 (8)ぬれ曲線にはアルミニウム合金の熱伝導特性も関係しているのでぬれ時間のみでなく、ぬれの張力による評価もあわせて必要であることがぬれ性の総合判定には欠かせないことが明らかとなった。
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[Publications] 竹本正: 溶接技術(第8号). 36. 100-108 (1988)
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[Publications] 竹本正: 溶接技術(第9号). 36. 116-123 (1988)
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[Publications] 竹本正,岡本郁男: 軽金属溶接. 27. (1989)
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[Publications] 竹本正,水谷正海,岡本郁男: 軽金属. 39. (1989)
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[Publications] T.Takemoto;I.Okamoto: Trans.JWRI. 18. (1989)