1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550607
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸坂 圀夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (90001289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 祐一 北海道大学, 工学部, 助手 (80142694)
高井 光男 北海道大学, 工学部, 助手 (50002019)
林 治助 北海道大学, 工学部, 教授 (10001182)
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Keywords | バガス / 稲わら / ネマガリダケ / 酸素初圧 / 酸素酸化蒸解 / 不透明度 / 物理的強度 / オゾン処理 |
Research Abstract |
バガスを20〜80℃の1〜4%NaOH溶液に1時間浸漬後、3倍に絞りよくほぐして被酸素解試料とした。この試料をガーゼに包み、底水100mlの張ってあるオートクレーブの中皿の上に置き、空気を酸素で数回置換して除き酸素初圧5Kg/【cm^2】、酸化温度120℃で1時間酸化蒸解した。 この結果、2〜3%NaOH溶液、浸漬温度40〜60℃に浸漬の被酸化試料から得たパルプは収率46〜55%と、これまでに報告した稲わらから同条件で得たパルプの収率39〜47%よりも非常に高い値を示した。しかし、白色度は28〜43%と稲わらからの61〜62%に比べて低い値であった。また全般的にバガスパルプはペントザン含有量が多いため不透明度が低く、不透明度の高い稲わらパルプとの混合抄紙などを行なって検討してみる必要があった。バガスからの紙の物理的強度は裂断長3.8〜4.4km、比引裂度45〜54で、比引裂度にやゝ改良すべき余地はあるが、単独でも十分使用可能なパルプであるように思われた。さらに、これらのパルプに対して塩素系薬品を使用しない精製漂白法として液相法によるオゾン処理を試みた。その結果、60℃の3%NaOH溶液に浸漬して得た被酸化試料の酸化蒸解パルプは裂断長を向上させながら白色度を20%も向上させ53%となり、これ以上の漂白を行なわなくても下級紙として十分使用し得るものであった。 一方、ネマガリダケについても、バガスと同じ条件と方法でパルプ化を試みたが、組織形態が木材に類似しており、ネマガリダケの材中に酸素酸化蒸解の媒体であるアルカリの浸透が不十分で、対ネマガリダケチップアルカリ濃度15〜18%、100〜120℃、1時間処理という強い前処理で、はじめて酸素酸化蒸解が可能であった。また、原料ネマガリダケ中のアルカリ抽出量が39%と非常に多いことから、アルカリ前処理を行なう本蒸解法では高収率パルプは期待できなかった。
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Research Products
(1 results)