1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550682
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山田 文一郎 阪市大, 工学部, 助教授 (50047198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 章一 大阪市立大学, 工学部, 助手 (00183616)
圓藤 紀代司 大阪市立大学, 工学部, 講師 (10047409)
大津 隆行 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00046864)
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Keywords | ラジカル重合 / 開始剤 / グラフト共重合 / アゾ化合物 / メタクリル酸エステル / モノマー開始剤 |
Research Abstract |
ラジカル重合の特徴を生かし、広範囲のモノマーに適用できるグラフト共重合体の合成法の開発が強く望まれている。本研究では開始剤としても作用するモノマーの共重合でポリマー開始剤を生成し、その分解で生じるポリマーラジカルにより別のモノマーを重合しグラフト共重合体の合成した。重合における挙動の予測から、次の一般式で表される3種類を使用した。 1および2はメタクリル酸などの不飽和カルボン酸エステル、3はメタクリル酸2-置換エチルなどである。1〜3の開始剤としての活性は、相当するメチルエステルと同程度であり、モノマーとしての反応性はメタクリル酸メチル(MMA)に等しいとした。スチレン(St)あるいはMMAとの共重合で0.5-2.7mol-%の開始剤単位を含む共重合体を合成した。例えば、1.32mole-%の1(R=【CH_2】=C(【CH_3】))単位を含むポリ(MMA)(【P_n】=449)では、1分子のポリマーは約6個の開始剤単位を持ち、これを開始剤とするStの重合を60℃で5.5時間行うとグラフト共重合体(75%)、ポリ(MMA)(15%)およびポリ(St)(10%)の混合物が得られる。このグラフト共重合体の分岐数は1で[St]/[MMA]=約5(モル比)であり、ポリマー混合物は相分離せず相溶化の目的は達せられる。この方法は比較的長い分岐を導入するのに適しており、重合時間を長くすれば分岐数は増す。3単位を含むポリマー開始剤でも同様にグラフト共重合体が効率よく得られた。2単位は150℃付近で分解するため、ポリ(St)との共重合体によりフマル酸ジイソプロピルの重合を開始し、グラフト共重合体を得た。このように、ポリマー開始剤の組成ならびに重合度から分岐数を規制することが可能となった。
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