1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 幹彦 東北大, 農学部, 助手 (00108482)
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Keywords | デキストラン合成酵素 / 糖転移反応 / 化学修飾 / 親和標識 / 多糖生合成 |
Research Abstract |
本研究はデキストラン合成酵素の糖転移能に着目し、酵素タンパク質の修飾に伴う活性変化に関する基礎的知見を得ることを主な目的としている。先に提出した研究実施計画に基づいて以下に述べる成果が得られた。 1.阻害剤の反応速度論による基質結合部位の解析ーデキストラン合成酵素の活性中心における基質シヨ糖および受容体基質となるデキストランの結合部位を検討するために、酵素反応の阻害剤として14種の阻害剤の作用を測定し、有効な阻害剤を選抜して、反応速度論的な解析に用いた。その結果、基質のショ糖とデキストランは酵素の活性中心内で独立した部位に結合することが明らかとなった。 この知見は本酵素の修飾に際して標的となる部位が2ケ所存在することを示しており、共与体、受容体基質の両結合部位の各々についての解析が必要と考えられる。 2.菌株間の糖転移活性の比較から、Leuconostoc mesenteroides NRRL B-1299株はオリゴ糖の合成活性が高く、デキストラン合成活性はB-512F株が最も高いことが示された。従って、この2株の酵素を比較検討することが重要と考えられる。デキストラン合成量の簡便な測定法としてUVおよび蛍光々度計による方法を開発し、測定能率の向上を企った。 3.化学修飾、親和標識法の条件検討としては、デンプン分解系酵素を用いた化学修飾および親和標識の結果、デキストラン合成酵素の修飾にも応用が可能な2〜3の方法が見出された。特に、タカアミラーゼの化学修飾からは基質の鎖長と酵素活性との間にサブサイト構造を反映した活性変化が認められた。 これらの結果よりデキストラン合成酵素の糖転移能の検討に化学修飾や親和標識法を適用することは極めて有意義であることが示唆された。 次年度はこの問題をより詳細に検討し、デキストラン合成酵素の触媒反応機構の理解と反応性改変の基礎を得たい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mikihiko Kobayashi: Agric.Biol.Chem.50. 1051-1053 (1986)
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[Publications] Mikihiko Kobayashi: Agric.Biol.Chem.50. 2585-2590 (1986)
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[Publications] Mikihiko Kobayashi: Agric.Biol.Chem.