1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根本 敬久 東京大学, 海洋研究所, 教授 (00013558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖山 宗雄 東京大学, 海洋研究所, 教授 (00111584)
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Keywords | 南極洋 / 食物連鎖 / マイクロネクトン / プランクトン |
Research Abstract |
研究の中心は, 南極洋においてBIOMASS計画で採集さたいか類について行なわれた. またいか類に対する強力な捕食者であるマツコウクジラの捕食状態についても検討を加えた. 南極洋からはマイクロネクトンいか類として10種が出現した. このうち4種Kondakovia longimana,Moroteuthis knipovitchi,Brachioteuthis picta,Galiteuthis antarcticaが優占種である. いか類の体長組成は種によって異なるが, K.longimanaは最大長36cmで, マツコウクジラにより捕食されていたものの体長(40-80cm)とは明らかに異なるG.glacialisも最大長24cmで, マツコウクジラにより捕食された個体とは明らかに異なる. 両種とも南極海の浅海系には小型の個体が分布し, 大型の個体は深海系に分布してマツコウクジラに捕食されると考えられる. マントル長40cmから200cmのいかのうち特に40-80cmの個体はK.longimanaと考え得る. K.longimana,B.pictaは主におきあみ類を捕食するが, M.knipovitchiは魚類を主餌料としていた. おきあみ類を捕食するいか類については, 体長と捕食されたおきあみ類の体長との間に正の相関があることが, B.pictaおよびK.longimanaの両種で確かめられた. マツコウクジラの体脂皮の厚さの変化は, 南極洋の夏期においても特に大きな増加傾向は認められない. このことはひげ鯨の場合と異なり, いか類により構成される餌料環境が特に夏に良いということではないと考えられる.
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Research Products
(1 results)