1986 Fiscal Year Annual Research Report
特異抗体を用いた魚類コリン作動性神経の証明法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
61560213
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村地 四郎 広島大, 生物生産学部, 教授 (40034433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 一真 広島大学, 生物生産学部, 助手 (00116542)
中川 平介 広島大学, 生物生産学部, 教授 (00034471)
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Keywords | コリン作動性神経 / コリンアセチルトランスフェラーゼ / 酵素抗体法 / 魚類神経系 / 酵素精製 / 免疫 |
Research Abstract |
1)コリン作動性神経マーカーであるコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)の活性測定法を種々検討した。その結果、Fonnum(1969)の原法にもとずいたRyan and McClure(1979)の方法が最も適当であるという結論を得た。 2)本年度はシビレエイの入手経路を確立するにとどまり、シビレエイの電気器官からChATを抽出・精製することはできなかった。 3)市販のほ乳類ChAT標品に対する抗血清の作製を試みた。ウサギの2回の抗原注射により、酵素抗体法による組織学に十分に使用可能であると思われる抗血清が得られた。得られた抗血清を用いてコイ・ニジマスの脳および脊髄の凍結切片を酵素抗体法で染色したが、抗血清の特異性は低く、神経細胞・神経繊維以外の部分にも強い発色が見られた。そこで、抗原に用いたChAT標品の純度をDISK電気泳動法および高速液クロによって調べたところ、多数の蛋白成分からなることが明らかとなった。このことから、ChATの抽出・精製には相当な困難のあることが予想される。 4)本年度の実験により、材料の入手方法、魚類ChATの精製法、免疫方法、酵素抗体法等の手法を決定し、これらに習熟することができた。次年度にはシビレエイ電気器官から抽出・精製したChATに対する抗血清を得、これを元に魚類コリン作動性神経の組織学的証明法を確立することが可能と考える。
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