1986 Fiscal Year Annual Research Report
感潮河川流域における地下水位変動の実験的解析と最適推定,制御法に関する研究
Project/Area Number |
61560271
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
秋吉 康弘 宮崎大, 農学部, 講師 (30041031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 修輔 宮崎大学, 工学部, 助教授 (30037999)
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Keywords | 低平地の排水 / 耕地の汎用化 / 塩水遡上 / 最適制御 / パラメーター推定 / 次元増大系 |
Research Abstract |
本研究は、感潮河川流域の干拓地、および埋立て地での、地下水低下を現地実験をもとに数学的モデル化し解析しようとするものである。 今年度は、初年度であるため、調査地の現況を把握することを目的に、地下水位,排水路水位,外潮位,雨量,地下水,排水路内塩分濃度等を測定した。その結果、干拓地等の遊水池内での水位調節を招き戸方式の樋門にて行う場合、遊水池、および排水路内の水位増加傾向は、小潮時の方が大潮時の場合よりも大きくなる。この現象は、満潮,干潮の潮位の変動幅の違いによるもので、小潮時の場合、外潮位の振幅が小さく、招き戸にかかる水位が小さいため、招き戸のすき間から塩水が多量に流入して、排水路水位が大潮時よりも大きくなる。このため、塩水の遡上も小潮時の方が上流まで影響する。本調査地区では、小潮時の場合約1350mまで、大潮時では約1100mと大きな違いを呈した。この結果、排水路周辺の水田地域は、塩分濃度が非常に高く、作物の許容塩分濃度0.1%をはるかに越えた値を呈していることが分かった。 また、地下水の流動状況は、降雨時,干天時,かんがい期で異なり、降雨期は、田面の標高に関係なく排水路の方向へ流動する。また、干天時には、田面標高の高い所から低い方へ流れる傾向がある。かんがい期には、水稲作付田と休耕田との間に地下水の流動が生じ、水田から休耕田へ、また、水田から排水路方向へと流れる傾向が認められた。現在、現地は排水路改修工事、機械排水機場に揚水量1.33m3/sのポンプ3台設置中で62年3月に完了予定である。よって、次年度は、ポンプ排出量と排水路水位および地下水位の相互関係を明らかにして、この現象を数学モデルに置換してコンピューター、およびアナログコンピューターで解析し、機械排水量と地下水位低下の最適制御法を求めようとするものである。
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