1986 Fiscal Year Annual Research Report
特別天然記念物ニホンカモシカの形態・疾病並びに生殖に関する研究
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61560339
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 義孝 岐大, 農学部, 助教授 (70021699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿閉 泰郎 岐阜大学, 農学部, 助手 (90151084)
杉村 誠 岐阜大学, 農学部, 教授 (40001523)
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Keywords | ニホンカモシカ / パラポックス感染症 / 腎臓と動脈分布 / 副腎 / 副腎皮質結節 / 指及び趾間洞腺 / 放香腺 |
Research Abstract |
標記に掲げた課題のうち今年度は以下の4テーマについて研究を行った。1.パラポックス感染症の流行:1984年12月から1985年3月までの冬季に岐阜県下で捕殺されたニホンカモシカ402例中155例(39%)に丘疹性ないし結節性病変を示す本症の大流行があった。病変は口唇、舌、口蓋、耳介、外陰部、乳房等に主座し、組織学的には封入体形成を伴う棘細胞増多症によって特徴づけられた。 2.腎臓の形態学的研究、とくに腎動脈走行についてニホンカモシカ腎臓の肉眼並びに組織学的特徴を明らかにすると共に、合成樹脂注入により動脈走行の基本型を検索した。カモシカの腎臓は小型反芻家畜であるヤギ,ヒツジのそれと類似した完全な単腎であった。また、動脈分布様式は都合8型に想定区分されたが、6型が実存し、なかでも最も基本的なパターンは、腎動脈の前枝が背・腹側枝に分岐し、独立傾向の強い背側中枝が後枝から出るものであった。 3.副腎及び副腎皮質結節の形態学的研究:ニホンカモシカ副腎の一般形態を明らかにした。加齢に伴う副腎の重量変化は、雄では性成熟後重量増加が停止するのに対し、雌では常に増加傾向を辿っていた。この性差は、雌副腎における束状帯の占める割合や、発達の度合が大きいことに由来していた。また、頻繁に認められる副腎皮質結節は組織学的に皮質細胞の結節性肥大に由来するものと、発生過程の遺残に起因するものに大別された。 4.指(趾)間洞腺の出生前並びに生後発育:本腺の原基は頭殿長(CRL)2.6cmの胎仔において出現し、CRL33cmでほぼ完成した嚢となる。この嚢に付属する汗腺、脂腺の発達は皮膚に比べて悪く、放香腺としての機能は乏しいものと思われた。一方、この領域には知覚神経終末である層板小体が多数分布するのが注目された。従ってカモシカの本腺は腺分泌機能よりもむしろ蹄の運動の補助器官として分化したものと推察された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Suzuki: Jpn.J.Vet.Sci.48. 1279-1282 (1986)
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[Publications] 豊田恵美: 岐阜大学農学部研究報告. 51. 151-162 (1986)
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[Publications] 高橋奈知子: 岐阜大学農学部研究報告. 51. 137-150 (1986)
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[Publications] K.Hanai: Wild Life Management.