1986 Fiscal Year Annual Research Report
巨大リポゾーム内に於けるCaチャンネルの開閉機構とコンダクタンスに関する研究
Project/Area Number |
61570054
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
国分 真一朗 慈恵医大, 医学部, 助手 (20153520)
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Keywords | 筋小胞体 / カルシウムチャンネル / カリウムチャンネル |
Research Abstract |
心筋の筋小胞体のCa channelを人工膜に融合させることを目的としてまず筋小胞体(SR)の分離法の確立を行った。ブタ心筋を0.29M sucrose,0.5mM dithiotheitol,3mM Na【N_3】,10mM imidazole-Hcl buffer pH6.8溶液中で約1【mm^3】前後の筋細片とする。この細片を筋重量の3倍量の同上bufferにてホモジネイトする。このホモジネイトを6,000rpmで30分間遠心し、上清を17,500rpmで一時間遠心する。さらにこの上清を36,000rpmで二時間遠心し得られたpelletを0.65M Kcl,0.5mM dithiothreitol,3.0mM Na【N_3】,10mM imidazole-Hcl buffer(pH6.7)を用いテフロンホモジナイザーで十分にsuspendする。このsuspentionを36,000rpmで二時間遠心し、得られたpelletを20〜50%sucrose gradientを用い、36,000rpmで遠心する。この時、35%及び40%sucrose中に小胞体のheceryおよびlight fractionが得られる事が電顕により確かめられた。これにより得られたベジクルを用いて巨大リポゾームを作成する事を試みたが、notive SR vesicleでは巨大リポゾームは形成されなかった。しかしながらtip-dip methodを用いることにより、パッチ電極の先端にnative SR vesicleよりなる脂質二重膜を形成することが出来、この方法によりSRのカリウムチャンネルの活動を観察することが出来た。このチャンネルは測定した電位範囲(-70〜+70mV)では特に明らかな電位依存性は示さず、開放確率はほとんど均一であった。200mM Kclにおけるチャンネルのコンダクタンスは約200pSであり、ナトリウムのコンダクタンスはカリウムに比べ約1/4であった。現在までの所、SRより記録されたチャンネルはカリウムチャンネルだけであり、目的としているカルシウムチャンネルはまだ見つかっていない。
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