1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570080
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
酒井 廣子 岡崎共研機, その他, 助手 (40132732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中 研一 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (90132737)
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Keywords | 網膜 / 非線形解析 / 双極細胞 / アマクリン細胞 / 神経節細胞 / 電流注入 / 信号伝達 |
Research Abstract |
本年度は実験動物として網膜内信号伝達様式が詳しく調べられてきたアメリカナマズを用い、神経節細胞の機能と形態を調べた。 非線形解析による神経節細胞の分類:ナマズ網膜では、線形成分は双極細胞から、非線形成分はアマクリン細胞から伝達される(Sakuranaga and Naka,1985)。従来神経節細胞は、光に対する応答からOn型、Off型、On-Off型に分類されてきたが、さらにこれを線形、非線形成分の強度により分類し、神経節細胞の主な入力源を決定した。その結果、非線形成分はアマクリン細胞に、線形成分は双極細胞に由来することが明らかになった。 電流注入実験:双極細胞、アマクリン細胞、または神経節細胞の細胞内に電流を注入し、近接する神経節細胞の細胞外からスパイク発火を記録した。この実験により、各細胞間の伝達様式、すなわち、興奮性、抑制性、及び線形、非線形性を決定した。アマクリン細胞から、神経節細胞への信号伝達様式は、後シナプス膜の神経細胞により決定されており、On型に対しては抑制性、Off型に対しては興奮性である。また同型の神経節細胞は相互に興奮性であった。 またいずれのアマクリン細胞も、On型、Off型神経節細胞に信号を伝達しており、その強度は同等である。この結果は網膜信号伝達はOn系路とOff系路に分離されているという従来の考えをくつがえすものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sakai,H.M;Naka,K-I;Dowling,J.E.: Nature. 319. 495-497 (1986)
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[Publications] Sakai,H.M;Naka,K-I.: J.comp.Neurol.245. 107-115 (1986)
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[Publications] Sakai,H.M;Naka,K-I.: Neuroscience Resarch.Sappl. 4. 133-140 (1986)