1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570080
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Research Institution | Okazaki National Research Institute |
Principal Investigator |
酒井 廣子 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40132732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中 研一 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (90132737)
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Keywords | 白色雑音 / ウィナー解析 / 網膜 / 神経回路網 / 伝達関数 |
Research Abstract |
ナマズ眼盃標本を用い、網膜神経細胞間の伝達開放を同定した。1本の細胞内記録電極と1本の細胞外記録電極を用い、前者より細胞内に通電し、後者より隣接する細胞のスパイク発大活動を記録した。細胞内通電は、水平細胞、双極細胞、アマクリン細胞、神経節細胞に行ない、細胞外スパイクは神経節細胞から記録した。電流は白色雑音又はサイン波で変調し、前者の場合、応答したスパイク間の相関をとり、1次、2次、ウィナー核を計算した。またこれをフーリエ変換することにより、ある神経細胞から、隣接する神経細胞のスパイク発大に至る伝達関数を決定することができた。この実験の結果1)アマクリン細胞の信号は従来、神経節細胞に対し、抑制性であると考えられてきたが、少なくともナマズ網膜では、抑制性ではなく、サイン非反転性である。 2)従来、神経節細胞は、単なる網膜出力細胞と考えられていたが、神経節細胞に注入した電流が、隣接する神経節細胞のスパイク発大を変調することから、神経節細胞は網膜内の信号処理に関与している、相互に信号非反転性であり、信号伝達の結果、応答のダイナミック特性は変化しないと考えられる。サイン非反転信号伝達は、ON型アマクリン細胞間、またON型神経節細胞間にも見られた。光刺激に対し過分極応答を示すOFF型細胞間、また光刺激点灯、消滅時にそれぞれ脱分極応答を示す、ON-OFF型細胞間にも同様の両方向性、非反転型信号伝達が見られた。その伝達関数はいずれも50〜60Hzにカットオフをもつフローパスフィルターである。光に対するアマクリン、神経節細胞の応答特性は、20〜40Hzのバンドパスであることから、これらの光応答特性は、カットオフも修正も受けず、同型細胞間で伝達さる。
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[Publications] Naka,K.I.,;Sakai,H.M.,;Ishi,N.: Ann.Biomed.Eng.16. 53-64 (1988)
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[Publications] Sakai,H.M.,;Naka,K.-I,.;Korenberg,M.J.: Visual Neurosci.1. 287-296 (1988)
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[Publications] Sakai,H.M.,;Naka,K.-I.: J.Neurophysiol.60. 1549-1567 (1988)
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[Publications] Sakai,H.M.,;Naka,K.I.: J.Neurophysiol.60. 1568-1583 (1988)
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[Publications] Sakai,H.M.,;Woody,C.D.: Brain Res.460. 1-7 (1988)
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[Publications] Korenberg,M.J.;Sakai,H.M.,;Naka,K.-I.: J.Neurophysiol.