1986 Fiscal Year Annual Research Report
動脈糸(太い動脈から細い動脈まで)の薬物反応の体系的研究
Project/Area Number |
61570090
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 慶祐 東北大, 医学部, 助手 (50125564)
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Keywords | 血管拡張物質 / 内皮 / EDRF / アセチルコリン / ニトログリセリン / ジルティアゼム / 動脈 |
Research Abstract |
内皮由来血管拡張物質(Endothelium-derived-relaxing-factor)(略してEDRF)が循環調節に重要な働きをしていることや、スパズム、血栓症、動脈硬化等の循環器疾患の原因に密接に関与している可能性が高いことが次第に明らかになりつつある。EDRFは1980年にFurchgottがウサギ大動脈での実験より発見して命名したものである。その後種々の血管でEDRFの血管拡張作用が証明されつつあるが、同一種、すべての血管でEDRFの作用が一様であるか、どうかは今の所、明らかではない。本年度はEDRF-dependentの血管拡張物質と、EDRF-independentの血管拡張物質がすべての血管で作用が一様であるかどうかを、まずイヌの太い動脈(頚動脈、冠動脈、腎動脈、腸間膜動脈、大腿動脈)の摘出したリング標本organ-bathに懸垂して栄養液中にて、2の等尺性張力を測定した。EORF-dependentの薬物として、アセチルコリン,サブスタンスPを用い、EDRF-independentの薬物として、ニトログリセリン、ジルティアゼムを用いた。トロンボキサン様物質のU46619で収縮させたすべての動脈をアセチルコリン、サブスタンスPは速やかに弛緩させた。そのIC50はすべての動脈で大体同じであった。一方ニトログリセリンはすべての動脈で一様のIC50を示したが、ジルティアゼムは、冠動脈のみで強い弛緩作用を示すものの、他の動脈では非常に弱い弛緩作用を示すのみであった。従って本年度の実験では、EDRF-dependentの血管拡張物質は、太い動脈では、動脈の種類を問わず弛緩を示す、すなわち血管特異性がないことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Keisuke Satoh et al.: Journal of Molecular and Celluar Cardiology. 18(Suppl). 292 (1986)
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[Publications] Keisuke Satoh et al.: Journal of Molecular and Celluar Cardiology. 18(Suppl). 293 (1986)
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[Publications] Keisuke Satoh et al.: Journal of Molecular and Celluar Cardiology. 18(Suppl). 294 (1986)