1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570273
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
今井 正之 三重大学, 医学部, 教授 (40046339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畠 正義 三重大学, 医学部, 講師 (00024688)
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Keywords | 硫黄酸化物 / 大気汚染 / 人体影響 / 疫学 / 四日市 |
Research Abstract |
四日市で二酸化硫黄による太気汚染が環境基準を達成して10年以上経過した現時点でも、B.M.R.C.の調査票による呼吸器系の自覚症状の有症率が未だに高い磯津地区のものを分析した。 厚生省が、煤煙等影響調査の際に使用したB.M.R.C.の呼吸器系疾患に関する面接質問票を簡略化した質問用紙を使用して、6才未満の乳幼児層と40才以上の高年令層の住民を対象にして、呼吸器系自覚症状の有症率の調査を行った。 調査は自治会を通じて留置法によって行い、調査票回収後、性、年令、自覚症状などの記載が不十分なものを集計から除外した。また、各自覚症状の有症率は6才未満または40才以上の有効回答者数に対する割合で表した。 対照地域としては、四日市で大気汚染の影響を受けたことがほとんどなく同地域内における大気汚染物質の濃度が著しく低い地域を選んだ。 慢性気管支炎症状の有症率は、同症状が、性、年令、喫煙などの影響を受けるので、年令別に、対照地域の性および喫煙状況別の有効回答者数を基準にして訂正有症率を求めた。 40才以上の年令層における慢性気管支炎症状と喘息様発作の有症率を年令階級別に対照地区のものと比較してみると、磯津地区では50才以上の年令層において著しく高率であった。自覚症状が低下しない理由としては過去の激烈な大気汚染の暴露による呼吸器系自覚症状または病状の重篤化が原因しているのではないかと考えた。しかし、この地区でも二酸化硫黄が環境基準を達成した後に出生した6才未満の年令層における呼吸器系自覚症状の有症率は低く、かつ、大気汚染の影響は認められなかった。
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[Publications] Masayuki,Imai,et al.: Mie Medical Journal. 36(1). 1-8 (1986)
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[Publications] Masayuki,Imai,et al.: Arch.Environ.Health. 41(1). 29-35 (1986)
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[Publications] Masayuki,Imai,et al.: Mie Medical Journal. 36(2,3). 109-116 (1987)
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[Publications] 今井正之 他: 三重大学環境科学研究紀要. No.11. 45-50 (1987)
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[Publications] 今井正之 他: 三重大学環境科学研究紀要. No.11. 51-56 (1987)
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[Publications] 今井正之 他: 三重大学環境科学研究紀要. No.12. 13-16 (1988)